第48話:大工さんの仕事 その③-1枚板カウンター
板材が現場に届きました。タモの板材は合計4枚です。
下の写真は、芯持ち1枚板の90㎜クラスを厚すぎるので2枚にスライスしたものです。
厚いまま使えるのが一番でしたが、どうしてもカウンター材にしか使えないのでごめんなさい(^^;)
それを大工さんが加工したりカンナを掛けたりしていきます。
途中で我が家の息子と娘もカンナ掛けを体感させていただきました
へっぴり腰でなかなか削れません(^^;)
カウンター材を厚く見せたくない場所は、大工さんが面を取って厚みを感じないようにしてくれました(^^)
1つ目のカウンターの加工とカンナ掛けが完了です!。
このカウンター材は、最終的にリビングのパソコンコーナーのカウンターになりました(^^)
本棚上の浮いた飾り棚にも使用しました。
そして、土場で見た長くて幅広い1枚板材は・・
2階の勉強コーナーになりました(^^)
家づくりに大工さんの魂が込められて行っているかのような感じがします(^^)
まさに「The 家づくり」です!
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】
第47話:大工さんの仕事 その②
メインの階段のほかに、実験ハウスでは2種類の階段を造作しております。
1つはロフトへ上がる「空中階段」です。
下支え無しの階段です。
もう1つもロフトに上がるのですが、スペースが取れない時に便利な階段です。
ビフォーアフターで時々お目見えする階段です(^^)
足の乗せる位置が左右で決まっております。
そうすることによって、階段を急にできるのです!。
そして、子供室の間仕切り壁は、今回はガラスで仕切るという細工をしてみました。
普通でない空間が広がる予定です(^^)。
つづく
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木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語
第46話:大工さんの仕事 その①
大工さんの内部造作が進んでいます。
いくつかご紹介いたします(^^)。
階段まわりは、壁をスリットにする面倒な細工があります。
吹き抜け部分の手すりは横スリットの細工ですが、溝を掘って入れ替えしで納めます。
つづく
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第45話:20年間の時間(とき)を経て
内部の造作工事が進む中で、カウンター類に使う1枚板が何枚か必要になり岩手県森林組合(以後:県森連)の土場に行きました。
県森連のOさんには5~6か所くらい1枚板材が欲しいとお話してあり、その分の良い板材をなんとか調達しようを考えていました。
土場の広い敷地に大量の丸太があり、うっすら雪が積もっていました。
1枚板も山積みでいろいろあります。
この中から使い道を考えて1枚板を選んでいくのですが・・
県森連のOさんが、「白鳥さん、実はタイミングよく掘り出し物がちょうど出てきまして、木の香の家の展示場に良いのでは・・と思って取っておいたんです。見ていただけませんか」と言って案内してくれました。
そこに出てきた板材はこれです。
なんと・・年輪がミルフィーユばりに細かいすごい板材です。
しかも芯去りの柾取りの板材です。
Oさんが言いました。
「これは樹齢200年以上もある北海道のタモ材なんですが、今後、一生お目にかかることは出来ない・・というか、一生手に入らないくらいの板材です。」
「実はこれ・・20数年も前に板材になって、20数年間も「一番良い保管方法」である「新聞紙に何重も包まれて」大切に保管されていたんです。
私「え!20年間もですか!?。なんで20年も?」
Oさん 「実は20数年前のバブル時代に、この板材を買った人は、これを120万円で購入したんだそうです。」
私「えええ!120万円(@@;)」
Oさん「この板材を関東や関西に持って行って売ろうと思ったのだそうですが・・、バブルがはじけて誰も買う人が居なくなり、宙ぶらりんになったのだそうです。
それでも、数年後にバブルが戻るだろうと信じ、一番いい保管方法で大切に保管していたのだそうです。
しかし、20年経ってもバブルが戻る気配がない・・ということと、ご自身も年齢が高くなってきたので、この板材を持っていてもしょうがない・・という理由で、手放したわけです。
タモ材でこの幅でこの年輪の細かさで1枚板は、二度と手に入らないと思います。
是非、これを購入していただいて展示場に使いませんか?」
私「え・・これっていくらで売ってくれるの?」
Oさん「木の香の家さんの展示場ということで・・この価格でどうでしょうか・・」
そう言って、Oさんは電卓で金額を見せてくれました。
私「えええ!マジで!!。 買った!。」
私は、即決でこの板材を買いました。
そしてOさんと使い方のイメージを話して、厚すぎる板材は2枚にスライスして使うことにしました。
<厚い板をスライスする作業>
これらの板材がどんな加工になって展示場にセットされるのか楽しみです(^^)。
つづく
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第44話:【断熱層・配線層 分離方式】
内部の断熱気密工事のあとは「電気工事」「ダクト配管工事」です。
構造見学会でも重要ポイントとしてご説明しておりますが、あらためて重要なポイントとしてご説明いたします。
木の香の家方式は、断熱層の中を配線しない『断熱層・配線層 分離方式』です。
一番の理由は、どの大工さん・どの電気屋さんが施工しても、断熱欠損を起こさせないためです。胴縁の材料費は掛かりますが、全棟の住宅性能を安定させるためには必要不可欠だと思っております。
下の写真①の左側は外部への配線貫通部分ですが、貫通部分はきちんと気密テープで何重にも処理しております。電気屋さんの意識の高さが伺えます。
【写真①:断熱層・配線層 分離方式】
天井断熱部分も、『断熱層・配線層 分離方式』です。
下の写真②の上部に見えるのが、セルロースファイバーのブローイングです。
そこから本天井下地との間に配線層・ダクト層を設けておりますので、配線やダクトが天井断熱層を痛めることはありません。
これだけの配線が天井断熱層を混在していることを考えるとやはり怖いですね・・。
【写真②:天井の 断熱層・配線層 分離方式】
下の写真③はレンジフードなどのダクト(アルミの蛇腹管)を出来るだけ断熱巻きをしている様子です。かつダンパーも設けることで冷気に侵入を予防します。
【写真③:ダクト断熱巻き】
下の写真④は 真壁和室まわりの配線の様子です。
真壁も断熱材の内側にきちんと配線層を設けます。
【写真④:真壁和室の配線の様子】
下の写真⑤もセコムの外部機器を設置するための貫通部分です。あとからの配線のためサヤ管をあらかじめ通しておく形です。貫通部分のテープ処理の丁寧さに電気屋さんの意識の高さが伺えます(^^)。
【写真⑤:後からの貫通配線のためサヤ管を通しておく様子】
写真⑥は間仕切り壁の横断の部分です。きちんと配線層を通してから間柱を添えています。配線の施工がしやすいように大工さんも心掛けてくれております!
【写真⑥:間仕切り壁の付け根処理】
このように見えない部分の施工が丁寧なことで、木の香の家の断熱性能が担保されております(^^)
つづく
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第43話:外回り工事
「外壁施工」と「内部との空間連続」を意図した作業をご紹介いたします。
今回はなるべく岩手県産材を使ってみようという意図で、外壁は岩手県産の杉を採用しております。将来の塗り直しも考えて、なるべく手の届く範囲で板張り外壁は採用しております。
板と板の「すき間を開ける」か・・「どん付け」にするか・・など迷いました。
当初は隙間を開けようと考えました。その隙間から白いタイベックが見えてくるのがおかしいと思ったので、わざわざ紫外線の強い防水紙を張って・・通期胴縁も黒く塗って設置しました。この防水紙は価格もかなり高いです(><)
・・が、現場で大工さん含めて外壁用の板を試験設置してみた結果・・幅広い板材の上だけ斜めにカットしてどん付けする方法でいきました。
板の上部を斜めにカットした理由は「水切れ」と「スリット状の影が出来てかっこよかった」ためです。
塗装屋さんから・・「え~・・だったら通期胴縁を塗らなくてよかったじゃん・・」と言われてしまいました(--;)。
高い防水紙も不要でした(><)。
現場の軽いハプニングです・・(^^;)
手の届かないところは塗り壁で行こうと思い、下地はデラクリート板というものを採用しました。コンクリートボードのような色です。
その上から左官屋さんが下塗り→仕上げ工事・・と進みます。写真は下塗り作業中の様子です。
今回、「外部空間」と「内部空間」を連続させような雰囲気を作り出そうと思って、いろいろ細工してます。
玄関ポーチの軒天羽目板を玄関内部まで続いているようにみせるため、4重ガラス(クアトロガラス)で断熱しながら同じ天井材を 玄関の中 と 玄関の外 に貼っております。
その施工途中の様子です。
ガラスにはサッシ枠を付けず、純粋に4重ガラスを取り寄せて現場組み込みをしております。
なかなか手間の掛かる作業ですが、面白い空間ができる印象があります(^^)
つづく
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第42話:内部断熱
内部断熱の作業です。
ここまでくると、特にいつもの当社の施工と変わらないのでスピードアップしてご紹介していきます。
いつもの光景です。断熱+防湿+配線胴縁。
配線が断熱層を傷つけないように意識しています。
ソーラー給湯ゾーンで、『緊急通気層』を確保した部分は室内側からネオマフォームで断熱補強です!
そんな意識をしながらも、自由設計だといろいろと問題も出てきて妥協する部分もあります。
本当は温水パネルヒーターの配管を防湿層の内側でしたかったのですが・・ちょうどその床も1階の壁から跳ね出しており・・床合板のすぐに断熱層がありました・・。
床からも配管を立ち上げられない・・ということで考えた結果、いったん断熱層に入り込んで湾曲しながら出てくる・・というポイントもありました(^^;)。
自由設計ならではの軽いハプニングです。
「社長の家と言えども無理なものは無理」・・当然ですね。
ガラスをはめる溝も、少しずれてる・・(^^;)
4寸の梁と3.5寸の柱の寸法を間違ったんですね。
複雑な構造組みの注文に さらにイレギュラーな細かい要望だったので致し方ないです。
現場とはこんなものなのです。
特に毎回やりたい放題の自由設計となると精密機械のようにはなかなか進みません(--;)
つづく
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第41話:サッシ取り付け
付加断熱施工とあわせてサッシまわりの処理がいろいろ大切な作業として行われました。
(付加断熱が終わってタイベックでラッピング)
今回のサッシの種類は主なもので4種類です。
アルス(木製サッシ)・エクセルシャノン・K-window・YKK(あいうえお順)
通常ですとサッシと構造枠の数ミリの隙間を発泡ウレタンでします(下記の写真)。
今回ももちろん発泡ウレタンでしますが、半分以上のサッシでグラスウールを細かく裂いて詰め込む作業をしました。
理由としては2つです。
発泡ウレタンはサッシの奥まで到達しているかどうかは見えないので、特にサッシの種類によってはかなり奥まで隙間が存在しています(下の写真)
もう1つは、家族で何か断熱作業をする思い出づくりという一面を考えて、家族でサッシまわりの断熱気密をしました。大工さんにグラスウールの詰め込みをお願いするとかなりコストアップしますので家族総出での作業です。
大事な施工ポイントの1つですので、家族作業といえどもチェックは厳しくしました(^^;)
つづく
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第40話:付加断熱
屋根まわりの施工が苦労しながらもうまく終わり、工事はいよいよ壁の断熱に進みます。
今回は当社で初めての付加断熱200㎜です!。
壁断熱の総厚みは充填断熱100㎜+付加断熱200㎜=300㎜断熱ということになります。
300㎜断熱した場合の・・、
〇 ランニングコストとイニシャルコスト(施工性)がどうなのか・・。
という点と
〇 これだけの下地厚みに「塗り壁外壁」を施工する挑戦です。割れるかどうか・・の実験です。
多分ですが・・付加断熱200㎜以上に「塗り壁外壁」をするのはアルセコという工法以外では日本で初かもしれません。
300㎜断熱の厚みを写真でイメージしてみますと、下の写真の赤い断熱材3枚分です。
(厚さをイメージしやすいように車のキーを置いてみました。)
断熱に見慣れた私でも、壁に300㎜って厚いなぁ・・という印象です(^^;)。
木の香の家では通常ですと外部下地として2×4材を設置しますが、今回は2×10材を厚み200㎜厚に揃えて設置してみました。
写真で見ても現場で見てもかなりゴッツイ印象です。
挑戦してみた作業性について印象を下記いたします。
① 2×4材のときは、横方向に流す2×4材をパネリードというビスで締め付けるだけで人が乗っても大丈夫なほど強固なのですが・・200厚みになると、横方向の材料だけでは人は乗れない印象です。そのため縦方向の補強材がところどこと必要になります。
② 長~パネリード(ビス名)を、曲げることなく貫通させるため、ビスを打つ前に一度下孔をあける必要があります。
③ そして、なんと言っても1枚1枚の材料が重いです(--;)。単純に2×4材の2倍の重さですので。
④ 今回は、ある程度パネル工場で設置して、現場で補強をするというスタイルを取りましたが、これもメリットデメリットがあります。現場での作業は減りますが、壁パネルが厚くなるので輸送コスト(トラック台数)が1.5~1.7倍くらい増えます。
今回の実験施工をしてみた結果、施工方法の工夫はまだまだ必要だなぁ・・という印象です(^^;)。現場施工がいいか・・工場生産がいいかも含めて・・。
下地の補強調整の作業と並行に、外側の断熱施工が続きました。
1層目の断熱施工です。
ところどころに縦方向の補強材が見えます。
(写真・・ぶれてますが・・2重に入ってます)
つづく
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第39話:屋根工事 ソーラー給湯ゾーン トラブルの答え
大工さんが言った「何かおかしい」・・の発言に、
私はポイントが理解できず、「どの部分が・・ですか?」と問いました。
T大工さん 「白鳥さん・・このソーラー給湯を設置したゾーンって、将来、内部結露しないか?」
・・・
私 「・・・」
・・・
私 「げ・・。そうだ・・(@@;)。ガルバリウム鋼板を張ってしまったから水蒸気の抜けない。いつか結露して木を腐らせてしまう(@@;)。」
大工さん 「・・だよね・・」
解説しますと・・ルーフラミテクトだけであれば、防水しながら水蒸気も通すという性質があるので屋根内部の水蒸気は抜けていくのです。
しかし、ガルバリウム鋼板を貼ってしまったため、防水性は完璧ですが、水蒸気は全く通さないので、屋根下地合板のところで内部結露してしまう可能性が高いのです。
私 「よくこんな状態から気づきましたね・・。私でもすっかり頭から抜けてましたよ」
私 「図面で見れば理屈をイメージしやすいですが、体動かして作業しながらだとなかなか変化に気づきませんねエ・・」
大工さん 「仕方ないなぁ・・。断熱を1回抜き取って通気層確保するか・・」
大工さんの気づきによって、またまた九死に一生を得る形でソーラー給湯ゾーンに通気層を確保しました。もしろん、入口出口も連続させております(^^;)
(通気くん部分が、水蒸気を抜く通気層)
実験ハウスは、こんな感じのドタバタが多くて、うまく進んでいるのか・・うまく進んでいないのか・・よく分かりません(--;)。
が・・「九死に一生を得た」と思えることが重なっているので
「良し」と思って前に進んでいきました(^^;)
一番うれしかったことは、大工さんがきちんと断熱理論を熟知して施工していることでした(^^)/
つづく
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