私は、おじいさんの死に目に会うのを覚悟して実家に戻りました。
<実家にて・・>
実家に帰ると、妹も実家に帰ってきており・・なんだか・・変な感じが・・
私 「あれ・・お爺さんは・・?」
妹 「それがさぁ・・ちょっとおじいちゃんの部屋に行ってみてよ・・」
祖父の部屋をそっと開けると・・
信じられない光景が・・。
手足が不自由で、ほぼ寝たきりの祖父が・・
ベットの上でぐるぐる動き回っている・・
しかも、私を見るなり「お前!誰だぁ!!」と叫びだす・・。
「殺されるゥゥゥ!!!!」とわめき散らす。
開いた口が塞がらないような光景に、しばし呆然・・。
私 「じいさん・・いったいどうしたの?」
母 「3日くらい前から、急に、頭がおかしくなったみたいで、ベットの上でぐるぐる回ったり、誰の顔を見ても分からなくて騒いでいるんだよね・・。」
私 「・・・ なんで・・・」
母 「こうなる直前に・・『みこ!みこ!』・・って何度も叫んでねぇ・・。それから急におかしくなったんだよ・・。お医者さん呼んでも、よく分からない・・と言われてさ・・。」
『みこ』・・とは、当時、我が家で飼っていた猫の名前でした。
私 「そういえば、みこ(猫)はどこに行ったの?」
母 「それが、その日から 帰ってきてないんだよね・・」
私 「え・・。もしかして、どっかで死んでるんじゃないの・・」
母 「縁の下とか、納屋とか、一応見たんだけど、居ないんだよねぇ・・」
私・母・妹 「・・・・」
ふと・・、私が ひらめく? 頭をよぎる? 直感? めいたものが頭に浮かんで・・
私 「みこが 最後に子供を産んだ場所ってどこだっけ・・?」
妹 「あ・・かやぶき屋根の雨戸の戸袋の中だ・・」
私 「まさかなぁ・・そこに居たりして・・(^^;)」
妹 「とりあえず見てみようよ・・」
私と妹は、江戸時代から建っている かやぶき屋根 の建物に行き、みこ(猫)が最後に子供を産んでいた、戸袋のところに行きました。
そして、立て掛かっていた数枚の雨戸をずらしました。
みこ(猫)は、そこで死んでいました。
ぞくぞく・・という、寒気を感じました・・。
その場所に 呼ばれた感 がして、思わず「うわっ・・」と声に出してしまうほどでした。
みこ(猫)は、とりあえず、土に埋めて弔ってあげましたが・・
爺さんが『みこ、みこ』と叫んでから、おかしくなったのと・・、その『みこ』が、本当に死んでいて、私が直感でそこに呼ばれた感があったのと・・いろいろ重ねると・・
なにこれ・・みこ(猫)が 爺さんに取り付くって・・そういう事ってあるの・・?
そういうことって・・世の中にあるものなの・・?
私は、お化けとか・・幽霊とか・・宇宙人とか・・あまり信じない方なので、この不思議な出来事が、ショッキングでした・・。
もし、仮にそうだとしても、現状・・病気でもない爺さんを治す方法もないので、これからいつまで 爺さんはこの状態なんだろう・・という現実だけが重くのしかかっていました。
特に危篤でもない・・基本的には元気・・なので、私は、翌日には、仙台に戻ることにしました。
つづく・・