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【 流れに従って生きる ACT10: この現場での私の存在意義は・・? -見学会の意義と役割― 】

ACT10  この現場での私の存在意義は・・? -見学会の意義と役割―


 


 U様邸新築工事は、設計のウッチーさん・大工さん・そして私も含めて、高断熱高気密住宅というのが初めてでした。そのため、技術指導として鎌田先生はじめ、会沢さんや多くの新住協のメンバーが足を運んでくれました。私は、木造すら初めてだったので、完全におんぶにだっこ状態でした(^^;)。そんな状況になるのは、着工のときには薄々感じてました。


技術的には勉強させてもらえる「たんなる手配屋の現場管理者」・・になると・・。


 


そんなつまらない役回りは、性格上、嫌なので・・、私は、自分なりにその現場での自分の存在意義を考えました。


 


いろいろ考えて、出した結論は・・、


 


技術の根幹を身に着け、それを一般の方にわかりやすく伝えるような、


 


【今までにないアピール度抜群の構造見学会をする】


 


ということでした。


 


何故、そのような結論に至ったかと言いますと、その見学会には多くのメリットがあると考えたためです。


 


①    一般の方に理解してもらうには、私自身がきちんと理解しないといけない・・という使命感が出来る。


②    新住協は、フランチャイズのように多額のお金を積んだ工務店だけに技術を教えるのではなく、広く世の中に正しい技術を広めたい・・という理念がありました。そこで、工務店に技術の取得を促すには、まずは一般の方に、こういう高性能住宅が出来るんですよ!・・と情報を広めるのがいいのでは・・と考えました。


③    当時のN建設(会社)視点からのメリットとしては、現場周辺が25年ほど前の分譲住宅地でちょうど建て替えラッシュの時期になっていましたので、ここで、猛アピールできれば次の家づくりにつながる可能性が高い。


④    ちょうど2~3組の見込みのお客様がおり、別会社と競合していましたので、良いアピールになる。


⑤    会社として有無を言わさず新在来木造構法を継続せざるをえない状況になる。


 


実は、この現場が終わったら、ポリシートを使った工法(新在来木造構法)は、N建設ではやらない方向で話が進んでいました。新しい技術を嫌がる上司の方がいたため、ポリシートを貼ることに抵抗感を示し、「いままでの隙間だらけの在来木造でいいのでは」・・という意見も出ていたのでした。


ただ、アピール性に乏しい住宅を造っていて、先々見通しの悪かったN建設にとって、この新在来木造構法で家づくりをやらせてもらっているのは「天がくれたチャンス」だと、私は勝手に判断したのでした。


 


会社には、表向き、③・④の目的で見学会を開催しましょう!提案しましたが、実際の大きな狙いは⑤にありました。


 


 


 


 見学会を成功させるのに、どうしたらいいか?私は、いろいろ考えて、まず現場を知ってもらう活動をすることを考えました。


 


上棟式です。


 


「100人以上集めますから餅まきしましょう」


 


・・と、お施主様にお願いして、最近、仙台ではやらなくなった餅まき上棟式を計画しました。お施主様の息子さんにあたるウッチーさんからは、「100人なんて集らないよ」・・と言われましたが、「何とかして、にぎやかな上棟式にしますから」・・と無理にお願いをして、何とか了承をいただきました。もちろん、見学会成功へ、現場の認知度を上げる意図もお話ししました。ウッチーさんの設計受注にも可能性を上げる効果があるためです。


 


 


ちょうど目の前が幼稚園だったので、園児さんの思い出づくりにもなるだろうと思い、幼稚園の先生にお願いして、ご父兄の方に事前に餅まき上棟式の案内(かわいいイラスト入り)を配布してもらいました。


 


また、近隣の方々への現場へ関心をもってもらうため、餅まき上棟式のチラシを訪問して回りました。手渡ししながら、「ちょっと、この辺では見られない面白い住宅なんですよ・・」の一言も付け加えて。


通学路にあたる道端には数日前から、餅まき上棟式の看板を立てたり、とにかく人を集められる方法は色々考え、実行しました。


 


 とはいえ・・、まずは、この上棟式にどれくらいの人が来てくれるのか・・正直、不安でした。10人くらいだったら、せっかく上棟式を了承してくれたお施主様にも申し訳ない状況になりますし、見学会開催への会社の意欲にもマイナス影響がでてしまうのでは・・と考えていたのです。


 


 


上棟式前日・・


 


天気は、最悪の雪・・しかも・・大雪・・(@@;)・・・    ガーン(;_;)・・・。


 


しかも・・めっちゃ寒っ・・(--;)


 


明日も、こんな天気だったら、上棟式すら出来ず、もちろん誰も来ない・・


 


当時は携帯電話で細かい天気予報などなく、


テレビの天気予報もざっくりとした確率の低いものでしたので、


雪と寒さに、私の心もドドーン・・と沈んでしまいました(--)。


 


その夜は、翌日の最悪のパターンを想像して寝つきが悪かった記憶があります。


 


 


 


上棟式当日の朝・・、


 


 


私はカーテンを開けて、目を疑いました。


 


 


快晴!快晴! しかも、暖かそう!


 


 


なんと・・前日の雪がうそのように、その日の天候は大急展開して、小春日和の快晴になったのでした。しかも、あったかい・・(^^)b。


 


上棟式の準備をしているときも、大工さんはじめ、ウッチーさん、お施主さま、会社の面々とも、「昨日の天気がウソのようだ!」と口々に言うほど、天気の違いに話が盛り上がるほどでした(^^)。


 


 


上棟式が始まる3時ころ・・、


どこからともなく子供たちや親御さんが集まりだしてきました。


 


そして餅まきをする時間・・、


 


道路には、ゆうに100人を超えたご近所の方がいました。


 


こんな運にも恵まれて、大風呂敷を広げて言った「100人以上集めますから・・」の言葉は、無事に達成することが出来ました(^^;)


 


 


餅まきは、盛大に・・にぎやかに・・大成功のうちに終了しました。


 


現場のアピール云々を跳び越して、そのときは、にぎやかだった上棟式、喜んでいただいたお施主さまに、ただただうれしく感じていました。


 


前日までは天気にヒヤヒヤしていましたが、その日は、お天気サマサマでした。


 


まだまだ私の運も終わっていないと感じる一日でもありました。


 


 


 *【流れに従って生きる】は毎月1日に更新していきます*


 

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Posted at: 2014.8. 1(金)

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