高断熱住宅の夏についていろいろ解説してきましたが、最後に、
「① 夏、涼しく暮らしているOBさまの暮らし方の事例」のご紹介
と
「エアコンはどうなのか」についての当社の考え方
をご説明いたします。
住宅業界には、各社、様々な主張があります。その主張は、どれが正しいかは正解がありません。もちろん当社の言っていることが100%正しいとも限りません。そのため、お客様自身で、各社の主義主張を聞いて、自分たちがどの考え方に合うのかを判断しなければなりません。
例えば
〇 1年中 窓を開けないで生活してください。1年中エアコンなどで空調管理します・・という主張もあります。
〇 エアコン絶対禁止という・・主張もあります。
〇 断熱はてきと~にして、夏でも風を通せば涼しいはず・・という主張もあります。
言っていることが180度違うくらい、この住宅業界では主張がさまざまです。
【 暮らし方の事例 その1 】
下のグラフは以前にご紹介したエアコン無しで夏を過ごせているOBさまのグラフです。
このOBさまの暮らし方をご紹介します。
1:早朝、祖母が起きると、1階まわりのリビングなどの窓を全開します(涼しい空気を取り込むため)
2:ある時間(このかたは7時)になったら、一気に全部の窓を閉めます。
3:あとは扇風機を回して日中は過ごします。
4:3時過ぎ、外気温が下がって、室温より低くなったら、普通に窓をあけて生活
というパターンで暮らしていると、本当にエアコンなしであれだけのデーターが出せてます。
窓の開閉を上手に使った例です。
ただし、それが成立するには、条件が必要な感じです。
条件①: 連続で熱帯夜にならない。
条件②: 東側に建物や日射遮蔽物があり、角度の低い午前中早めの日射をカットする。
条件③: 早朝などの外気温が25度以下など涼しめになる。
などですね。
連日熱帯夜となる関東関西では、難しいと思います。
【 暮らし方の事例 その2 】
下記のグラフも、以前ご紹介しましたが、夏に積極的に窓を開けて生活してもらった測定グラフです。
「断熱はてきと~に施工」して、「日射遮蔽もてきと~にする」ので夏は暑い・・ → そのため窓を開けて生活・・という家づくりをしている住宅会社さんですと、こんなデーターになるのだと思います。
もちろん、猛暑の日は熱風しか入ってこないため、住宅内部もかなり暑くなります。
【エアコンはだめなのか?】
夏、室内がかなり暑くなるのに、エアコンに頼らないでガンバロ~という主張もあります。
当社のOBさまの中には、本当にエアコンなしで涼しく生活している方もいます。
しかし、決してエアコンに頼らない生活が正しいとも言えないと考えてます。
断熱と日射遮蔽が考えられていれば、エアコンの効きは良くなります。
少ない電気量で生活ゾーンを快適にできるのであれば、ひたすら我慢しながら生活するのではなく、エアコンに頼ってもいいと思います。
【 別の視点で考えてみます。 】
1年間の生活エネルギーの中で、夏の冷房が占める割合は1%~2%と言われています。
そうだとしますと、夏の猛暑の期間、汗だくになりながら、命を懸けながら、暑い中生活して、「エアコン半分で頑張りました」・・と言っても、1年間の0.5%~1%減らせるかどうか・・なのです。
(ちょっと悲しいですね)
暖房時期のエネルギーをどうやって減らすかを考えたほうが、何倍も省エネルギーになります。
1年間、窓を閉めっぱなしで機械空調に頼りましょう・・とも言いません。
命を懸けてまでエアコンなしで生活しましょう・・とも言いません。
「家」とは人間が生活しやすいように自由にコントロールができ、なるべくエネルギーを使わないで済むような地球環境に配慮できていればいいのかな・・と思います。
高断熱住宅 夏 暑いのか? 夏 涼しいのか? は以上で終了となります。
ありがとうございましたm(__)m