ACT31 『心に引っかかっている2つ』
Ho建材さんからの偶然の電話にはじまり、会社は4:3:2:1という絶妙な出資バランスの資本金1000万円の株式会社として無事登記されました。
全員が出資者であり、従業員という立場の者がいないことも責任感の面で素晴らしいことであり、この「流れ」は間違いないものだと強く感じました。
ただ、2つの心に引っかかっていることを残して・・。
話は変わりますが・・、私が岩手県で暮して、その土壌で魅力を感じたことがあります。
それは、大手ハウスメーカーでなくとも地場の工務店が元気だということであり、法人でなく個人事業であっても住宅会社として受け入れてくれる社会ができているということです。そういう意味で岩手県であれば、1人でもやれる可能性は感じていました。
しかし、100万都市仙台は違います。
大手ハウスメーカーがひしめき合い、展示場をかまえていないとなかなか芽を出すのが難しい環境という印象です。
ましてや、法人看板は信用性の1つに見られ、いかに100万人の人口がいようとも、零細規模の地場工務店で仕事を取るのは難しい時代でした。
ネットやホームページというものでアピール出来ないその時代は、「個人事業で発足したばかりの住宅会社です」・・では、強烈なアピール性がない限り、受け入れてもらえないであろうと簡単に予想できました。
そのため仙台で住宅会社を興すのであれば、E氏の提案する展示場は必要不可欠の要素でもありました。
そんな中での 私が『心に引っかかっている2つ』は、こうでした。
ひとつは、やはり『岩手という地域が、小さい工務店のがんばれる土壌』であるということです。
仙台で独立するという「流れ」は、それまで身の回りで起きた出来事から判断するに間違いない。
でも、岩手で仕事をしたいという未練は残っていたのです。それでも、1年くらいはCホームの社長の目もあり、居ない振りをする必要性を感じていました。
もうひとつは『やはり、E氏と長い間できるのか?』という疑問でした。
独立して牧田も含めて会社を興すには、仙台市でスタートというこの「流れ」は間違いないという自信はありました。
しかし、私を知っている方々で人生経験も長い人からは、「組む人を間違っていないか?」・・とまで何人にも聞かれました。
それでも、「流れ」自体は間違っていない思いが強かったので「まあ、流れは間違っていないから大丈夫でしょう」と答えていました。
ただ、「もし、俺に守護神がいるなら、E氏と組むことで何を得なさいと言っているのだろうか?」と自問自答することもありました。
E氏は、それほど灰汁が強かったのです。
そんな、複雑な思いを抱いて新会社の準備をしているときでした。
その心の引っ掛かりを打ち消すような思わぬ新たな「流れ」が起きてくるのです。
事実は小説よりも奇なりです
*【流れに従って生きる】は毎月1日に更新していきます *