ACT 35「項羽」と「劉邦」
いよいよ2001年のスタート。
私は仙台の(株)木の香の家に合流しました。その数日前に、私たち4人の株主(3人+ Ho建材の社長)と、Ho建材のM部長さんたちを交えて、景気づけ決起集会(飲み会)を開きました。
そのときの飲み会の席で、M部長さんからこんな話をされました。
M部長「白鳥さんは、この新会社はうまく成長していくと思っていますか?」
私 「ん~、そうですねぇ。ここまでの流れは間違っていないから、あとは社長次第でしょう。」
M部長「・・というと?」
私 「私や牧田をうまく使えれば、さらに、人をうまく使えれば、この会社は軌道に乗れると思います。つまりは、社長(E氏)が「項羽」なのか「劉邦」なのかで決まりますね。」
実は、組む相手をE氏に絞ったとき(多分2月頃)、私はE氏に「項羽と劉邦」の本を渡していました。
昔の社会と現在の社会は基本的には違うのですが、人の上に立って、人を動かす場合、歴史から学ぶことは決してばかばかしい事ではないと思っていたからです。
その本を読んで何を期待するかは言わなかったですが、少しは、参考にしてもらえるだろうと思い渡しておりました。
その本の中で私の記憶に残っている文言があります。
劉邦軍が「韓信」を大元帥に任命するときのシーンです。
私は天下を狙う・・などという大それた考えは持っていませんが、
集団の力を出すというときの考え方を、歴史の本から学ぶことは多くありました。
(実際に出来ているかどうかは別としまして^^;。志だけは心にとどめております)
実を言うと、人の上に立って人を動かすことの難しさを、私は経験していました。
自慢ではないですが、小学校・中学校と生徒会長をやらされていたのです。
そのときは、思うとおりに物事が運ばず、かなり悩んだ経験をしていました。
そのころの私は、なんでも自分でやらないと気がすまなかったタイプでした。所詮1人の力は1人の力であり、物事はなかなか進みませんでした。
他の人から力を引き出して、そのパワーを同一方向へ向ける術は持っていなかったのです。
そのため、大きなイベントをするときも、なにかと空回りすることが多く、ほとほと嫌になることが多かったのです。
小さいころの私は、人の上に立つというスタイルでは「項羽」だったかもしれません。
独裁者ではなかったですが、人の良い点を見つけて評価できず、人に任せることがなかなかできなかったような気がします。
そうすると、その団体は、結局のところ自分の器を超えないのです。
「劉邦」のように、ある程度人に任せ適正に評価する方法は、スタッフが有能であればあるほど1人のトップの器を超える団体になると、社会に出て10年くらいになる私は自分なりの答えを出していました。
もちろん好き勝手に暴走しないルールは必要ですが・・。
「項羽と劉邦」では最後に、力で強い項羽が負けてしまうのですが、最後にこんな一文もあります。
そんな価値観を私は持っていたので、E氏がこれから増えるかもしれないスタッフをどうやって動かしていくかで、この新会社は成長するかどうかが決まるのだろうと感じていました。
少なくとも、私と牧田が 「よし頑張ってやってやろうじゃないか!」 というモチベーションに出来るかどうかがポイントだと感じました。
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