CT 36 E氏のすごさ
前回までのようにE氏を書き並べると、E氏は無能な人間に捉えられてしまかもしれませんが、私からみても本当に凄いと思ったことがあります。
それはお金の計算です。
友人O君には言われていましたが想像以上でした。お金の計算にもいろいろありますが、なんといっても「その細かさ」です。
現場が工事途中で資金ショートしないように、いつ着工して、毎月どれだけの支払いと収入があるか前もって計画を立てるのです。
資金ショートしそうな月が予測できれば、あらかじめ取引業者さんに「〇月の支払いは半分になるかもしれません」と連絡してOKもらうのです。
あらかじめ伝えて計画の範囲であれば業者さんの信用も落ちません。さらに、着工や建て方を開始するタイミングをわざとずらして、月初めに工程をスタートさせたりと工夫もしていました。
これは、私には斬新な光景でした。
今まで、現場の実行予算を組むことはあったのですが、 「お客様からの入金予定」 と 「業者への支払い予定」 、そして 「経費にまわせる金額の予定」 の計画を、着工前に組み立てるのは初めて見たのです。
この時代の家づくりをするお客様は、ほとんどが住宅金融公庫から融資を受けていたため、お客様の「手持ちの自己資金」と、「住宅金融公庫の中間金」実行日を計算しないと、工事途中で資金ショートする可能性もあったのです。
この事前計画は、私の頭の中では持っていない要素でもあり、実は非常に重要なことでした。
O君が言っていた「綺麗事言っても、金でつまずけば終わりだからなぁ。」の意味がなんとなくわかりました。
これを得ただけでもE氏と組んだ経験は非常に大きかったのですし、正直、組んでよかったと感じました。
Cホームより正直に経営的な勉強になりました。
しかし、この細かさは度が過ぎるとあだとなります。
E氏の場合は、別な面で異常に度が過ぎました。
1円でも無駄にしたくない一心で、私と牧田の行動を細かく監視しないと気が休まらなかったのです。
〇 ガソリン1リットルも無駄に動いていないか・・。
〇 100円ショップで済むものを120円で買ってきてないか・・。
〇 走行メーターをチェックし「どこに行ってきたのか」・・という質問までし・・、
〇 車のヘッドライトに虫の死体がついていれば「高速使ったな!」とチェックを入れる。
〇 真夜中に電話をしてきて、今どこに居るかまでチェックする。
(俺はあんたの彼女じゃない・・と叫びたくなりました)
自由にやりたくて独立したはずなのに、今までで一番の管理下に置かれた息苦しさを感じました。牧田が1ヶ月でストレスを感じるのも無理はなかったのです。
1円得しようとして、会社で働く人のやる気をそいで、その何倍も損するタイプだなぁ・・と思いました。
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