軽井沢巡礼最後の日、いつかは絶対に行っておかねばと思っていた建築と出会う。
軽井沢まで足を運んだ一番の理由といっても過言ではない。
それが、アントニン・レーモンド、吉村順三氏の建築。
「夏の家」 設計:アントニン・レーモンド
レーモンド氏自身のアトリエであるが、今はペイネ美術館として使用されている。
立地が変わってしまっているのが残念だが、内部はしっかりと保存されている。
現在
竣工当時
内部は撮影禁止のためネットから。
杉丸太を表しにした架構が、内部空間の見事な広がりと開放感をつくっている。
レーモンドが良く使う、柱芯外しの建具納めによって、外部との連続感が強まりとても気持ちが良い。
この開放的でダイナミックな空間なのにホッとする落ち着き。。。ごちそうさまでした。
そして、レーモンド建築で有名な「聖パウロカトリック協会」へ。
建築好きにはたまらない、神聖な場所。。
60度近い急勾配屋根の小ぶりな外観。
内部に入ると見事に裏切られる。外観からは想像もできない豊かな空間が広がる。
丸太によるシザートラス、登り梁がそのまま現し。イスも当時は足場に使用されていた丸太によるもの。
アントニン・レーモンドの5原則というものがある。
「自然性、直截性、正直さ、単純性、経済性」
まさに、この原則が体現されている建築であろう。
極めて単純な構造であり、構造材をそのまま正直に見せる。当時では安価な足場丸太を素直に使用する。高価な材を使わなくても、空間が劣るどころか、逆に簡素で質の高い空間になることを伝えてくれる。
まさに、「簡素にして品格あり」。ごちそうさまでした。
最後の締めは「軽井沢の山荘(吉村山荘)」
建築を学ぶ人には聖地とも言える場所。
現在も人が居住しており、敷地には入れない。。
絶妙なアプローチ、その先にある自然に調和する佇まい。。
時が止まったかのような静けさの中、ボーっと立ち尽くす。。
最後にここで締めくくった軽井沢巡礼は、これから目指すべき建築の指針となるような中身の濃い旅となりました。
今ある自分の持つ思いを見失いかけたら、また訪れたいと思います。。