小さな家でおおらかに暮らす。
近年、少しでも大きな家に住むことが豊かさの基準の一つであったように思いますが、それが住まいの質の向上と直結しているかというとそうではないように思います。
むしろ、必要以上の無駄に大きな家を安く安くと建てることで大味な家になる。
それなら、必要で十分な面積にして、余裕ができた予算を、質を上げることに使うほうが良さそうに思えます。
例えば、シート貼りの合板から、温かみと風合のある無垢フローリングにしたり、外部に木を植えて少しでも多く緑を増やすとか。
小さな家をネガティブにとらえる必要はなく、小さな家だけど心地よい居場所が点在していて、おおらかに、そして豊かに暮らすことを考えてこうよ、というのが伊礼さんの考えです。
そんな伊礼さんのノウハウが詰まった本が何冊あります。
「伊礼智の住宅設計」はどちらかというと実務書です。膨大な詳細図面が惜しげもなく公開されていて、自社の設計にも生かせる内容であるため、教科書のような本です。吉村順三からの芸大系の系譜が伝承されていて、これからも何十年と色あせることのないバイブルであります。
「小さな家 70のレシピ」は項目ごとに分類されていて、大きな写真も多く、伊礼さんの作品集のような本です。一般の方もペラペラと気軽に読めるような内容です。一般の方はこの本から入門するのが良いのではと思います。
建築関係者はもちろん必読書ですが、これから家を建てようという一般の方もぜひ手に取ってみてください。
より高い次元で家づくりを楽しめるのではないでしょうか。
「小さな家 70のレシピ」の1ページ。
上記の2冊は持っていますので、興味のある方にはお貸ししますよ(^^)!!笑