2年に1回山形市で開催されている芸術祭「山形ビエンナーレ」や、 主に山形県でご活躍されている設計事務所のオープンハウスに参加させてもらいながら、山形県内の建築巡りをしてきました。
これまでも何度か山形に行っていますが、縦断は初めてしました。 初めに向かったのは、南陽市の高級旅館「山形座 瀧波」です。
オープンハウスを開催された設計事務所がリノベーションした旅館です。
1枚目の写真だけみると郊外にありそうですが、
県道102号線のすぐ横に建っています。すぐ近くには国道も通っています。
街の中心部に建っているので外部からの視線や各部屋のプライバシーなどが気になりそうですが、
塀や中庭が設けられ、配置が工夫されているため、プライバシーは確保しながらも外部とのつながりを感じられるようになっているようです。
一度は泊まってみたいですね。
次に向かったのは、木造コンサートホールで世界一席数が多いことなのでギネス記録を持っている「シェルターなんようホール」です。
市の芸術文化の向上や地域振興を図ることを目的に、芸術文化の創造拠点として設置されました。
エントランスを入ると大きな8本の柱と吹抜けが印象的な交流ラウンジがあります。
奥のホワイエから交流ラウンジを見た写真です。
左手には会議室やワークスペースが並び、右手にホワイエがあります。
ホワイエには工事中の写真や木造耐火認定を取得するための柱のモックアップなどが展示してあります。
柱は三重構造となっているようで、内部の「荷重支持部」は木材を使用し、中間部の「燃え止まり層」は石膏ボードを4枚重ね、「表面材」は木材などを巻いています。
中心部の石膏ボードは2枚でも大丈夫だったようなのですが、耐火試験を1回で合格する必要があったために、4枚重ねて3時間耐えられるように強化したそうです。
パネルなどを見ていると職員さんに「建築好きなの?」と声をかけてもらったのですが、これはチャンスだと思いました。
大ホールなどは基本的に一般公開していないので、受付でも見ることが出来ないと言われていたのですが、
岩手から来ていることなどを伝えると、少しだけ大ホールの中を見せてあげるよと言っていただけました。
防火認定を取得するために苦労した点やホール全体を一つの楽器として考えて設計されていることなど丁寧に教えて頂きました。
職員の方にはお忙しい中、時間をつくっていただいてありがたかったです。
ステージから見た写真です。宝塚なども公演が出来るようにステージ上のバトンなどが多く設置されているようです。
南陽市の最後に訪れたのが、「熊野神社(熊野大社)」です。
GoogleMapで立派な茅葺屋根だと思い行ったのですが、着いてみると違和感を感じました。
縁結びで有名な神社だったようで、周りの痛い視線をひしひしと感じながらもお参りをしてきました。
有名な神社に行くときは下調べが必要だと教訓を得ました。
破風部分も萱で葺くのは、山形県独自の建築様式で県内最古の茅葺屋根建築みたいです。
拝殿の裏にまわると風鈴と短冊のトンネルにミストの演出までされていました。
今回一泊二日で山形を回ったのですが、「自然風の気持ちよさ」と「場所に適した温湿度」を感じる場面が数多くありました。
熊野神社ではじめっとしているように感じたのですが、大木に囲まれているので日影ができ風も抜けるので、不快感はあまり感じることはなかったです。
住宅内でも一定の温湿度だけではなく、不快感を感じない範囲内で温湿度の起伏や自然風を上手く取り込めないかと考えていきたいです。