KANSOが最初に手掛けた美郷オフィスと工房を見学して、
美郷オフィスにおける温湿度などの測量データを見ることが出来ました。
もるくすの佐藤さんとドイツ在住の池田さんが来日され、説明を受けました。
また、秋田県立大学教授の長谷川先生が測量データの解析をしていただき、
壁体の蓄熱や蓄冷をデータとして見ることが出来ました。
解体現場から木材を回収・加工して、パネル化したものです。
溝が付いてあることで、停滞した空気層ができ、断熱効果が1.5倍になるそうです。
東京や新潟などから来られている方々もおり、これからさらに注目されるだろうなと感じました。
10年後、20年後に建築業界全体が当たり前のように考える必要があるサスティナブル建築について
様々な取り組みをされていてとても興味深かったです。
新住協の総会に帰りに、「弘前れんが倉庫美術館」にも行きました。
世界各地で活躍されている田根剛さんの設計で、既存の煉瓦倉庫の耐震補強や煉瓦壁の保存がされています。
現代美術作家で東京藝術大学教授の大巻伸嗣さんの「地平線のゆくえ」を見ることが出来ました。
美術館の隣にはカフェもあり、青森県の食材を使った料理やシードルなどもいただけます。
青森県は青森県立美術館や十和田市現代美術館など有名な美術館がたくさんありますが、
一番行って良かったと思えました。
大巻さんの作品は現在、国立新美術館で「真空のゆらぎ」が見ることが出来るようなので、
興味がある方はぜひ行って見てください。
10月上旬に新住協の総会に参加しました。
数年ぶりに全国の会員さんと顔を合わせる機会でした。
青森支部の研究発表なども興味深いものが多く、勉強になりました。
懇親会では初めて津軽三味線の演奏を聴くことが出来ました。
青森の建築もいくつか見て廻りました。
借りぐらしのアリエッティの舞台モデルになった、「盛美園」です。
2階の洋間部分は見ることが出来ませんでしたが、1階の数奇屋造りから見る庭園は見事でした。
2ケ所目が「弘前シードル工房kimori」です。
弘前出身の建築家、蟻塚学さんが設計しており、インターンでもお世話になった設計事務所です。
リンゴ畑に囲まれており、シードルを作っており、近くのお土産屋さんで購入することが出来ます。
テーブルや椅子も蟻塚さんがデザインしたもので、脚が蟻のように見えるデザインとなっています。
近くのお土産屋さんから見ると、岩木山をイメージして屋根が設計されていることが分かります。
リンゴ畑から突き出た屋根が可愛らしい建築でした。
今回の旅で最後に訪れたのは横浜の「三渓園」です。
実業家の原三渓によって造られた日本庭園のようです。
175,000㎡にも及ぶ広大な土地に歴史的建築物と自然環境が一体になっています。
京都の燈明寺から移転された三重塔です。瓦には東明寺になっており、移転時に造られたのかもしれません。
飛騨白川郷から移転された入母屋合掌造りの民家です。
手前の板間と奥のお座敷で高低差がありますが、身分の違いを表しているそうです。
お座敷には身分が高い役人が泊まるために、板間よりも高くなっています。
和室の続き間を依頼されることは少なくなっていますが、美しいですね。
欄間なども繊細なデザインになっています。
庭園内には野良猫やカモ、アオサギなど動物もいました。
鶴翔閣です。普段は内部非公開なのですが、お盆期間中は限定公開しており入ることが出来ました。
美術品などを保管していた倉も繋がっています。
厚い漆喰の扉が天窓で照らされて、重厚感を感じます。
縁側にも畳が敷かれ、座敷部分がまた高くなっています。
座敷に座っても庭が見えるように高くなっているのでしょうか?
臨春閣は池に面した3つの棟をずらしながら配置されています。
日本庭園を訪れると、この景色を見てほしいというポイントに腰掛が置かれていることが多い気がします。
腰掛を見つけたら出来るだけ足を止め一息ついていたので、
じっくり見ても2時間ぐらいで回れるコースだったのですが、4時間ぐらい掛かってしまいました。
これまでも建築巡りをしてきましたが、一番移動距離が長く、様々なジャンルの建築を見ることができ、
とても良い経験をすることができました。
4日目は静岡県富士市に行き、坂茂さん設計の「富士山世界遺産センター」を見に行きました。
富士山が出来た歴史や山頂までの環境の変化など、様々なことを知ることが出来ます。
実際に登る前に訪れると、より富士山を堪能できそうです!
山頂部分に雲がかかってしまいましたが、鳥居の先に富士山を見ることが出来ます。
富士山の風景の一つとして、河口湖に反射して映る逆さ富士が有名ですが、
ここでは、水面に映った木組みを富士山のように見せていて、こんな見せ方があるのかと感動しました。
施設内はお茶碗のような形の木組みの内側が展示室となっており、最上階にはガラス張りの正面に富士山が現れます。
ベンチも富士山を逆さにしたデザインとなっています。
一般的な資料館とは異なり、螺旋状のスロープを上りながら鑑賞でき、山登りしているような感覚になる面白い展示室となっています。
自然素材の土の色合いだけで地層を表現した塗り壁です。
富士山の成り立ちについても展示してあるのですが、富士が二つの山が一つになって出来たことを初めて知りました。
今回ご紹介するのも藤森照信さんが設計した浜松市秋野不矩美術館です。
奥の建築が美術館になっており、手前の3本の柱で浮いているのは茶室になります。
壁は全て漆喰が使われ、展示スペースは籐ござが敷かれていたりと自然素材が多く使われていました。
テラスからは美術館までのアプローチと茶室を眺めることが出来ます。
3日目は早朝から名古屋城に行きました。
開園前で敷地内に入れなかったので、名古屋城まわりを一周して、金のしゃちほこを拝んできました。
名古屋城まわりは多くの方がランニングやウォーキングをしていました。
一周3~4kmあったと思いますが、シニア世代の方もすごく速く、競争したら負けてしまいそうでした。
3日目は藤森照信さんの建築を巡りました。
1つ目は岐阜県多治見市にある「多治見市モザイクタイルミュージアム」に行きました。
ジブリの世界観に入ったような建築でした。
最上階には様々なモザイクタイルなどが展示されています。
3階にはギャリーがあり、タイルの製作方法などを知ることが出来ます。
建築としては奇抜な面もあるのに、どこか親しみやすさを感じる不思議な建築でした。
次回も藤森さんの建築をご紹介します。
前回ご紹介した「石の教会」の後は5時間ほど電車に揺らて名古屋に向かいました。
日が沈むころに名古屋に付いたのですが、岐阜まで20分ほどで行けたので、
伊藤豊雄さんが手がけた「みんなの森 ぎふメディアコスモス」に向かいました。
図書館を中心とした複合施設です。
2階が開架閲覧エリアになっており、波打った木造の屋根にグローブが天井から吊られています。
ここで勉強するだけで頭が良くなった気分になりそうです。
入口近くには、屋根のモックアップが展示されていました。
実際に作った職人さん達には感服しますね。
今回は高崎で通りかかった「高崎芸術劇場」と軽井沢の「石の教会」をご紹介します。
宿泊施設に向かう途中でたまたま通りかかったのですが、大劇場のホワイエ部分が全面ガラス張りで照明の陰影などがカッコいいですね。
早朝にも立ち寄り、改めてボリュームの大きさを感じました。
駅からペデストリアンデッキでつながっているため、アクセスもしやすいです。
2日目は高崎駅から横川駅まで電車で行き、バスで碓氷峠を越えて軽井沢へ向かいました。
横川駅前の景色です。
軽井沢駅近くにショッピングプラザがあったので、立ち寄ってみたのですが、さすがリゾート地と印象を受けました。
ペットと一緒に休める木陰のスペースがあったり、ゆっくり買い物を楽しめるようになっているなと感じました。
軽井沢では美術館も多いので行ってみたかったですが、台風も近づいていたため「石の教会」だけになってしまいました。
設計者はケンドリック・ケロッグでオーガニック建築の提唱者であるフランク・ロイド・ライトに師事し、
地形の特徴を活かした、自然環境との調和がデザインされた建築を多く手がけています。
石とガラスが織り込まれたような建築で、石は男性、ガラスは女性を表現しているみたいです。
地下に向かう階段にも光がやわらかく降り注いでいました。
地下には教会や建築家についての資料が展示されています。
今回は有名建築家が設計した建築をご紹介します。
手塚貴晴+手塚由比が設計した富岡商工会議所会館です。
お盆期間中だったので中に入ることが出来なかったのですが、お隣に住まわれているお父さんに声をかけていただき、様々なお話を聞かせいていただきました。
お隣の屋上にまで上がらせていただいたのですが、西日が反射して大変とのことで、
改めて近隣への影響も考えて設計しないといけないなと思うきっかけとなりました。
また、お話を聞かせていただいている際に、自分と同じく建築好きで東京から来られていたご夫婦と出会い、
近所に手塚さん達が手掛けたこども園もあることをお父さんに教えて頂き、ご夫婦と一緒に見に行きました。
地元の方のお話を聞けることは、珍しいのでとてもありがたかったですね。
また、建築を目的に旅行されている方と出会うと思っていなかったので、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
次は隈研吾が設計した富岡市役所です。
富岡製糸場に行く途中にあるので、市役所前の広場や軒下空間を通りながら向かう方もいました。