第1話:土地探し
平成25年5月。
普段と変わらない日々を送りつつも、この日はかみさんの誕生日。
私は仕事を休みにして、かみさんと盛岡に買い物にでも行こうと思っていました。
ただ、その日はあいにくの雨模様で、「気分良くお出掛け!」・・という感じは出ないような雰囲気・・。
私の「盛岡に買い物でも行くか!?」の問いかけに、返ってきたかみさんの言葉にびっくり!。
かみさん「不動産屋さんに行ってみたい」
私「はあ!?なんで・・?」
かみさん「いい土地があるか不動産屋さんに聞いてみたいから・・」
実は、この言葉は、かなりのびっくり発言なのです。
私たちがマイホームを建てようかと考えたのは、実は12年ほど前までさかのぼります。
既に干支は1周しています。
その12年前から2度ほど、本気で家を建てようかと思う時期がありました。
ただ、その2回の本気モードのときは・・不思議なのですが・・「まだ建てるな!」とばかりにいろいろなことが私の身の回りで起きて、見えない力に抑え込まれる形で、結局・・家づくり断念してきました。
それでも、いずれは・・と思い、数年前までは良い土地がないかなぁ・・と、不動産屋さんにちょくちょく寄っていましたが、なかなかイメージ通りの土地が見つからず、半ばあきらめかけており、ここ3年くらいは不動産屋さんに行くこともなくなっていました。
かみさんの希望の土地は、「景色がよく、国道から遠くないアクセスの良い場所」だったのです。
運転が下手くそなかみさんは、雪のことを考えると国道から何kmも奥に入りたくない。子供も小学校は変えたくない。それでいて景色がいい。
そんな条件つきで土地を探す・・という、ハードルがたくさん有り過ぎました(‐‐;)
そんな過去の事情もあり・・
私「そんな土地なんて出てこないって。これまでも何度も不動産屋さんに行って、調べたんだから・・。せっかくの誕生日なんだから買い物に行ったら・・」
しかし、そのときのかみさんは、いつもとは違いました。
買い物が 大大大...大好きの かみさんなのですが・・「いい。今日は不動産屋さんに行く。」と譲らなかったのです。
金輪際ありえないと思うような発言でした。
結局、しぶしぶながら、北上市内の不動産屋さんに行くことにしました。
1軒目、S不動産にて・・。図面を見ただけで、明らかに気になる土地はゼロ。
2軒目、E不動産にて・・。
たくさんの物件情報をいただきましたが、土地の大きさが小さすぎたり、袋小路の突き当り・・という車の運転が苦手なかみさんには無理があり、あきらめムード。
3軒目、C不動産にて・・。
不動産屋さん「なかなか、アクセスが良くて景色が良いとなると難しいですねぇ・・」
やはり、あきらめムード。
ところが・・
不動産屋さんが思い出したように、「中古物件であればネットで公開していない、面白そうなのがありますよ」と、資料を見せてくれました。
その他にも、「とりあえず見てください」と2つの土地資料をいただき、合計3つの土地を見に行くことにしました。
私とかみさんは、半分くらいの期待感で土地を見に車を走らせました。
不動産業界では、表現が悪いですが、こんな言葉があります。
「ブス → ブス → 並」・・
土地を見るとき、 悪い土地 ⇒ 悪い土地 ⇒ 並の土地 という順番でみると、
並の土地が良く見えて土地制約率が上がる・・という業界用語です(--;)。
私もその変な風習にならって、この3つの土地を見るとき、
面積の小さそうな土地 ⇒ 距離が国道から遠い土地 ⇒ ちょっと期待できる土地
の順番で行こうと決めました。
1つ目の土地・・明らかに小さい上、車の出し入れも難しく、運転が下手なかみさんには絶対無理・・↓。
2つ目の土地・・土地自体は広くて良さそうでしたが、巨大な倉庫壊すのに1000万円くらい掛かりそう・・。しかも、国道4号線から4~5kmも奥にあるので、雪道の運転が大の苦手なかみさんには絶対無理↓。出来れば自己資金内で土地を買いたいと考えていた私の気持ちも資金的にも無理・・↓
「やっぱり無いものだね・・。アクセス良くて景色が良い土地なんて言ってたら、一生、家なんか建たないんじゃない・・?」・・と、気分も数年前の土地探し同様、すっかりあきらめムード・・。
そんな沈んだ気分で、最後の「並」と思っていた中古物件に到着・・。
国道4号線からわずか100m入った場所
・・・・
「え!?何これ?・・。」
「これって、本当に売っている建物なの!?」
「まさかぁ・・ここじゃないよなぁ・・」
「でも、地図を見るとここだなぁ・・」
「不動産屋さんに確認してみようか・・」
そこには信じられない土地が出現したのでした・・。
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】