第4話:土地が呼んでいる? その②
運動公園前の土地(土地Bとします)の地主さんの所在地が分からなくなったことで、私は、5月のかみさんの誕生日に見つけた土地(土地Aとします)に絞るか・・と考え始めました。
ただ・・土地Aも、無駄に広いのです。
そのため、配置計画をしてみようかなと思いつき、T不動産屋さんに寄って地積測量図などをもらおうと考えました。
仕事帰りに不動産屋さんに寄ろうと思い、事務所から出ようとした まさにそのときです・・。
なんと、T不動産の部長が突然、うちの事務所に来ました。
私 「あれ?なんでうちの会社に・・?」
T不動産の部長 「他にも土地物件があるので、他のお客様用にと資料を持ってきました。」
私 「今まで、うちの会社に来たことないですよね・・?」
T不動産の部長 「ええ。初めてです」
私 「ちょうど、今から御社に寄って、あの土地の地籍測量図があるかどうか聞こうと思ったんです。
配置計画してみかと思いまして・・」
T不動産の部長 「ありますよ!。事務所に戻って準備しておきます。」
何気ない会話なのですが、実はびっくりなのです。
その部長は、それ以前も・・、それ以降も・・、当社に一度も顔を出したことがないのです。
それが、ちょうど行こうかと思ったタイミングにぴったりだったので、「やはり、あの土地に呼ばれているのかな・・」と錯覚を覚えるほどでした。
その話を、晩御飯のときにかみさんに話をしました。
かみさんは「単なる偶然じゃない・・?」と相変わらずの反応。「それよりも、土地Bの地主さんをもう少し探してみようよ・・」と、コンビニが近い土地Bが諦めきれない様子でした。
土地Bの地主さんの情報は名前のみ・・。
10数年前に家を建てて引っ越した。
土地謄本を見ると、その土地には抵当や根抵当が一切ついていないので、ゆとりのある家庭かな・・という想像の域。
これくらいの情報しかありません・・。
ふとした思いつきで、電話帳を開いてみると・・なんと、同じ名前が1人載っています。
でも、よくありそうな名前なので、その人が地主さんだとは決められません。
数日後、その電話帳に載っている人を住宅地図でなんとなく見つけて、自宅周辺を怪しい感じで散歩・・。
建物は10数年目に建った感じのする印象。
しかも結構な豪邸・・。庭もかなり立派・・。
持っている少ない情報からの印象に合致しそうでした。
その後、いろいろな業界関係者さんからの情報で、ほぼ、その方が土地Bの地主さんの可能性が高いことを知りました・・。その間に費やした時間は1ヶ月。
ようやく土地Bの地主さんの所在が分かった7月下旬・・意を決して、8月1日の私の誕生日にその地主さんにところに訪問してみようと決めました。
5月のかみさんの誕生日に土地Aを見つけたので、それに合わせるかのように、私の誕生日に土地Bの地主さんに会おうと思ったのです。
その運命の日になるはずだった8月1日・・。その3日前の7月28日のことです。
たしか日曜日の正午だったと思います。
突然、幼馴染のSさんから珍しく私の携帯に電話が来ました。
私 「もしもし!珍しいですね。休日に・・」
Sさん 「白鳥さん!大変だ!」
その電話の内容に、衝撃が走りました。
「白鳥さんの実家が火事だ!」
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】