第6話:土地が呼んでいる? その④ -歴史の終止符-
実家の火事という一報を受けたのは12時・・。車を走らせてようやく着いたのは1時半でした。
休日にも関わらず消火活動に携わってくれた地元消防団のおかげさまで、火は、ほぼ鎮火しておりました。
おふくろは放心状態で、親父は出掛けていたため鎮火間際に家に戻ってきて、どうしたらいいのか頭の整理がついていないという状況でした。
建物はというと・・見事に「茅葺屋根の家」だけが焼失し、わずか5mしか離れていない2階建ての納屋にも延焼していないという不思議な光景でした。
なんだろう・・この光景は・・。
不思議な感覚を覚えました。
消防団の皆さんが、両親や私にも「気を落とすなよ」「元気出せよ」と声を掛けてくれて、感謝の気持ちもありましたが・・
この焼失の仕方に、「ひとつの歴史の終止符」という感覚を持たずにはいられませんでした。
この土地での長い歴史に・・ご先祖様が、きれいに終止符を打ってくれたんだな・・。
別の地に土地を買って、「次の時代に進んでいいんだぞ」・・と言ってくれているんだな・・
そう感じることができ、そういう意味で 涙がこぼれてきました。
実況見分でも、おふくろは「私が魚を焼いてコンロの火を消し忘れたのかも・・」と言ってましたが、焼け方の激しいのは厨房とは全く反対側の和室。厨房の魚は生焼け状態だったので、人為的ミスではないと判断されました。
先日までの長雨で、和室側の照明器具の傘に雨水が溜まるほど雨漏れが確認されており、結論としては、和室側の漏電による発火ということになりました。
この建物は、一時、小さな食堂をしていたので、テレビにも紹介されたことがあります。
そのときの映像の写真がこれです。
「茅葺屋根の家で昼寝しませんか?」・・。その真相とは・・という題名の映像です。
翌日、夏休みという事もあり、息子も連れてもう一度実家に行きました。昭和の建物は残っているので、必要最低限の電化製品だけそろえて、すぐに生活は出来たのは不幸中の幸いです。
そして・・落ち着いて考えても、この火事は「よかったんだな」という話が出るほど、
不思議な感覚をみんなが持ちました。
今回は書きませんが、この火事には後日談もあり、
どんな脚本家も描いたことのない、びっくりするような話が出てくるのです。
「日本で初の事例」としての後日談が出てくる 今回の火事は、いろいろなタイミングを考えても、
「起こるべくして起こった、ご先祖様による火事」
としか思えませんでした。
歴史の1ページとして・・、良くも悪くもこの火事を記憶に残すため「子供たちの記念写真?」
(息子に、「寂しそうな顔をしろ」・・と言ったら、こんな顔になりました。
下手くそな演技です。それを見て、娘がこらえきれず笑ってます(^^;))
私は、新たな地域での土地取得と、本格的な歴史のスタートに向かって、心置きなく進むことになるのです。
どの土地が、私たちを呼んでいるのか・・という事にアンテナを張りながら・・。
[ 次回: 土地・・ついに決定 ]
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】