第7話:土地が呼んでいる? その⑤
150年という長い歴史に終止符が打たれたことで、心置きなく土地探しができるようになった私は、お盆前に土地Bの地主さんに会いにいきました。
土地Bの地主さんは人柄が素晴らしい方で、初めて訪ねて土地の話をするという不躾な私の話をしっかりと聞いてくれました。
お盆明けにお返事をいただくことで、その日はお礼を言って帰りました。
今までの流れから何となく予想はしていましたが、結果はやはり「今すぐ土地を売る予定はございません」という丁寧な回答でした。
これによって、今まで「呼ばれている感」がある「土地A」に絞れたと思いました。
ところが・・、かみさんは「まだ、街に近い場所に良い土地があるのでは」・・と、もっと他を探そうとしたのです。
よほど街から離れる「寂しい感じ(静かな感じ)」が気になるようでした。
ただ、「国道から近く」て、「景色が良く」て、「車の駐車がしやすい土地の広さ」で、「手の届く価格」で、「小学校の学区が変わらない」というすべての条件を満たす土地なんて、何年も探してようやく見つかったくらいの確率なので、金輪際出てこないことは明らかでした。
あきれてしまった私は、かみさんにウソの話をしました。
私 「不動産屋さんから電話が来たよ。
『あの土地に興味を持つ人が出たので9月中に決めてほしいそうだ』...」
というウソ話を・・。
私「あの土地がいやだったら他の人に譲るから、真剣に考えてね」
と話しました。
・・というのも、かみさんは変な直感が働くタイプで、特に不動産絡みではその直感で会社が救われたこともあるほど、神がかり的な判断をすることが何度かありました。
そのため、真剣に考えた上で、土地Aがダメなのか良いのかを判断してもらおうと思ったのでした。
かみさんは、タイムリミットが出来たことで、本当に真剣に考え始めたようでした。
そんなときです。
不動産屋さんから私に珍しく電話が掛かってきました。
そして・・、その電話の内容にびっくりすることになるのです。
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】