ここから数値の話ですので・・少し難しい内容になります・・(--;)
この住宅業界には、さまざまな住宅性能を計算するソフトが存在します。
〇 新住協開発の「Q-PEX(キューペックス)」
〇 パッシブハウス協会さん開発の「PHPP」(日本版の名称は「燃費ナビ」)
〇 ドットプロジェクトさん開発の計算ソフト
そのほか・・私の知らないものもいろいろ
どのソフトが良いとか悪いとかではなく、どれも住宅の性能を数値化するという意味では今の時代に必要であり、どのソフトも常に変更調整を今でも繰り返しています。
「計算値」と「実際の生活燃費」の誤差を少なくするために・・。
かつ、使いやすくするために・・。
私はQ-PEXを使い慣れているため、このソフトを使って我が家の初期プランの性能を算出してみました。
クーラーさんには最終的にPHPPで計算してもらってパッシブハウス申請に使おうと考えたのです。
Q-PEXによる計算結果は・・
相当延べ床面積 57.28坪(189.74㎡)
暖房負荷 12.5KW/㎡
予想暖房灯油消費量(一冬) 272リットル/一冬
という計算結果がでました(表①)。
【 表① 】
数値の意味は理解しにくいかもしれませんが・・
約60坪弱の家の暖房用灯油が一冬で272リットルですと考えればイメージしやすいでしょうか・・。
灯油1リットルが100円ならば 一冬 27200円の暖房費 1リットル50円ならば 一冬で13600円という 想定が出来るという事です。
もちろん全室暖房で昼夜の平均室温は20℃という仮定です。
すこぶる良い結果だと思います。
ただし、ここまでの燃費にするために仮想入力した断熱材の仕様は
屋根 が 480㎜(48㎝) 高性能グラスウール (下図の赤部分)
天井断熱 が 500㎜(50㎝) セルロースファイバー (下図の緑部分)
壁 が 345㎜(34㎝) 高性能グラスウール (下図のオレンジ部分)
基礎 が 220㎜(22㎝) 防蟻性ビーズ発泡
サッシ は 主に樹脂サッシのアルゴンガス もしくは クリプトンガス 入りのトリプルガラスなどの高性能サッシ
今までやったことのないような途方もない断熱仕様です。
図でイメージするより施工は大変です。
費用も相当あがりますので過剰性能のため一般的にはお勧めしないと思います。
まさに実験と認定取得のため無理してます・・(--;)
この計算結果をもとにクーラーさんにさらなるアドバイスをもらうため打ち合わせをしました。
クーラーさんは「Q-PEX」と「PHPP」の両方の性能計算ソフトを使えるので助かります(^^;)。
しかし・・その経験から、びっくりするような課題を出されました。
クーラーさん 「Q-PEXで計算した結果として、暖房負荷=5.0KW/㎡ を目指してください。5.0KW/㎡になれば、PHPPで計算して パッシブハウス基準になると思います。」
「できれば・・サッシのUW値も、0.8W/㎡K 以下のものがいいですね!」
「暖房負荷5.0KW/㎡に近づけるには・・この図面で言いますと・・云々・・」
私 「 ・・・ 」
「これだけの仕様で計算して 暖房負荷 12.5KW/㎡ と算出されたのに・・、
目指すは暖房負荷5.0KW/㎡・・なの(?_?)。」
「 出来るの?・・・ 」
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】