第16話:パッシブハウス認定を目指しての奮闘記 -その5- 正攻法で...
裏ワザを駆使して Q-PEX計算ソフト上での 『暖房負荷8.1KWh/㎡』 まで落とした私でしたが・・、
時間が経つにつれ悶々としてきました。
「裏ワザ」と言えば聞こえがいいが、「数値の改ざん」といえば卑怯感が漂うなぁ・・。
そこまで数値を調整して取得する認定に何の意味があるのだろうか・・。
逆に、数値を改ざんしてまで認定を取得したという
「自分の気持ち」と「会社のイメージ」が悪くなりそうだ・・。
そんな思いも脳裏に浮かび、もう一度数値を戻してみました。
ステップ④-1:クーラーさんから、「玄関ホール正面のFIX窓の上か下に通風用の窓を設けてください」と指摘があり、窓を増設。
暖房負荷 8.1KWh/㎡ ⇒ 8.7KWh/㎡
影になる時間が多い位置に窓を増やすと一気に数値が悪くなるなァ・・という印象。
窓を増やすのがだんだん怖くなってきます(--;)
ステップ④-2:ロフトの床面積は算入させない(209.71㎡→189.74㎡)
クールチューブによる仮想評価は無にする(換気効率2%ダウン)
暖房負荷 8.7KWh/㎡ ⇒ 11.5KWh/㎡
分かっていても・・やはりがっくり来ます・・(><)
しかし、「ここで諦めてなるものか!」と図面調整。
ステップ5-①:玄関ホールのガラス面の影の影響を少なくするため壁を455南に移動してみました。
床面積と天井断熱面積も増えますが、外壁面積は逆に減るのでその点でも効果はありそうだと感じました。
暖房負荷 11.5KWh/㎡ ⇒ 11.2KWh/㎡
やはり、ガラス面の日陰になる時間を減らすと効果が大きいなァ・・という印象です。
ステップ5‐②:そうであれば、玄関ホールの窓を少し妥協して、ガラス面を小さくしようと考えました。
3m近い大型FIX窓を考えていましたが、1.5m角の横滑りだし窓1台に変更。
影の影響が少ない位置に微調整して設置してみました。
暖房負荷 11.2KWh/㎡ ⇒ 10.6KWh/㎡!
ようやく、正攻法で11KWh/㎡の壁を越え、10KW台に突入!
少しだけうれしくなりました(^^;)
でも・・まだまだ5KW台には程遠いです・・(--;)
ここで冷静になって、別の視点から物事を見てみましょう。
最初の段階での暖房負荷は12.5KWh/㎡ 一冬の暖房用灯油消費量は272リットルと想定されました。
ここまで血のにじむような思いで、いろいろなものを調整したりコストを掛けたり、
間取りで諦める部分も積み重ねて、ようやく、暖房負荷が10.6KWh/㎡にたどり着きました。
予想される暖房用灯油消費量は、想定で233リットルになります。
初期図面の頃より1年間で約40リットルの灯油が減ることが想定されます(272リットル-233リットル)。
1年間の灯油代が 1リットル100円と考えたときに、27200円→23300円になるという事です。
これを、どう評価するか・・です。
〇 一冬の暖房用の灯油が40リットル(4000円)も減ったとプラスに考えるか
〇 こんなにコストを掛けて、プランの諦める部分も増えて40リットル(4000円)しか減らなのかと思うか
私自身も、ここまで来ると、「何のために家づくりをしているのだろうか・・」と悩み始めました。
パッシブハウス認定を取るための家づくり?
楽しい空間や楽しい生活をするための家づくり?
悶々と考える時間が増えました(--;)
でも、今回は、実験住宅でもあり、パッシブハウス認定を取るというのも目標の1つなので、
もう少し頑張ってみようと心に決めるのでした。
本当に5KWh/㎡なんて出るのだろうか・・
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】