第27話:地中熱利用 「ヒートポンプ」って何?
この実験住宅には地中熱を利用するため地面に深さ100mの穴を1本掘っています(ボーリングにて)。
【 サンポットのカタログのイメージ図です。 】
深さ100mというと図にするとこんな感じです(長っ・・(@@;)
その100mの穴に液体を循環させるパイピングをして「暖房」や「融雪」・・、
そして、なんと「冷房」にも地中熱を使います。
言葉にするのは簡単です。
でも・・、「暖房」や「融雪」に熱を利用するとすれば、それは「50℃~80℃」の熱が必要になります。
地中の熱はせいぜい10数℃です。
地中の熱が10数℃なのに、どうやって50~80℃の熱になるのでしょうか・・。
それが 『 ヒートポンプ 』です。
<<< ヒートポンプを少し理解してみましょう >>>
① まずは「物質」で考えてみましょう。
丘の上に「池A」があるとします。丘の下の方に「池B」があるとします。
雨が降ると「池A」の水はあふれて、小川を通って下の方にある「池B」に水が流れます。
このように、物質は「高いところから低いところ」に移動します。
しかし、何らかの事情で「池B」の水を「池A」に送りたいと思ったとき、どうすればいいでしょう?
そうです。ポンプを使うのです。
ポンプを使えば水は「低いとことから高いところ」に移動します。
② 今度は「熱」について考えてみましょう。
中央を断熱ドアで仕切った2つの部屋があります。
左の部屋の室温は30℃とします。右の部屋の温度は10℃とします。
その状態で、断熱ドアを開けると、
左の30℃の部屋から右の10℃の部屋に「熱」が移動して同じ温度になろうとします。
これを先ほどの丘の図にすると、熱も「高いところから低いところ」へ移動しているということになります。
しかし、「地中熱」や「空気熱」のようにちょっと低い温度では、そのまま生活熱には使えません。
『少し低い温度の池』から室内の「暖房」や「給湯」に使える『高い温度の池』に
熱を何とか移動させないとなりません。
それをするのが「ヒートポンプ」なのです。
そうなのです。
熱も物質と同じようにポンプを使えば、低いところから高いところへ移動できるのです。
もう少し具体的に言いますと、
10℃の水を「何らかの方法」で50℃に変化できると・・、
20℃を必要としている暖房に使えます。
40℃を必要としているお風呂に使えます。
・・ということなのです。
なんとなくヒートポンプのイメージが出来てきましたでしょうか。
「何らかの方法」とは何でしょう・・。それは物質の「圧縮」です。
空気でも水でも、圧縮すると熱が上がります。
人間の力で圧縮する程度では大きな温度上昇は感じませんが、機械の力で圧縮すると温度がかなり上がるという仕組みです。
外気温‐5℃~‐10℃の空気から熱を汲み上げる方法を「空気熱ヒートポンプ」と呼び、10数℃の地中を通して10数℃になった液体を圧縮して熱を汲み上げる方法を「地中熱ヒートポンプ」と呼びます。
もちろん、少しでも高い温度の物質を圧縮するほうが、より安定した高い熱に変化できます。そのため地中熱のほうが効率は良いということになります。
「物質」や「熱」は、自然の法則として、高いところから低いところへスムーズに流れます。
でも、なぜか「お金」は 高いところから低いところへスムーズには流れません(^^;)
蛇足でした・・(--;)
この地面に100mも掘っていろいろと調査・実験しています。
測定結果は、のちのち考察&公開していきますのでご期待ください(^^)
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】