第32話:壁パネルスタート と いきなりの・・
土台も敷き終わり、いよいよ念願の壁パネル施工の日がやってきました。
その日は、「木製サッシ壁パネル」も「厚壁断熱パネル」も設置予定だったので、見学の方が多く来ました。
朝の6時には既にパネル工場から壁パネルを大量に積んだトラックが現場に来ておりました。
出勤ラッシュの時間帯を避けての到着のようです。
朝の7時過ぎには青森から見学の第1団体が到着し、いよいよ大実験施工がスタートする高揚感を持ちました。
記念する実験パネルのスタートは、いきなり木製サッシパネルです!。
木製サッシが重すぎるため、土台まで一体化した発案パネルです。
200㎏を超える木製サッシパネルを見事に吊り上げます。
「これを現場で移動しながら設置していたら大変だなぁ」
「パネル化だとクレーンで出来るのでよかったよかった」
(ただ・・このパネルが落ちた瞬間に100万円は吹っ飛びます(--;))
パネルを基礎の上に設置して・・
ところが・・ここでいきなりの問題発生・・
パネルが・・はまらない・・(@@;)
「なんで」・・
現場に緊張感が走りました。
見に来ている人にも、大工さんにも、そして私にも緊張感が走りました。
パネルを設置する前に思い描いてたのは・・、『 壁パネルが思い通りどんどんはまっていき、木製サッシパネルの部分は、わずか10分程度で完成!』・・とイメージしていたのですが、見学者の前でいきなりのつまずきです(><)。
ある程度パネルとパネルを噛ませてから、かけや(大きなハンマー)で叩いてもパネルが納まりません。
右往左往している中が、壁パネルがもし倒れたら・・200kg超えのパネルですので、大けがする可能性もあります。
下手をすると死亡事故にもなりかねません・・(><)
何度か別の方法でも試してみたのですが、うまく入らず最悪の「初日スタートから終了」・・
・・も覚悟しました(--;)
しかし、場数を踏んでいるだけあり、T大工さんは冷静に慌てる素振りは見せません。
もちろん、こんな時こそ慌てるとロクなことがないのは私も経験しています。
「なんでハマらないのか、ちょっとスケールでいろいろと測ってみよう。」
そう言ってT大工さんは、土台の長さやサッシパネルの長さ・高さを落ち着いた素振りで測ります。
1台1台のパネルの精度や土台の長さには大きな問題はない・・。
基礎天端の問題か?
墨出しの問題か?
いろいろ検討した結果。
土台の1本1本の長さが微妙に伸びたことの蓄積だとわかりました。
今回の実験住宅は、パッシブソーラーを目指して東西方向に長い設計になりました。
東西に18mもある設計のため、仮に3~4m土台が6本並ぶとします。
1本が0.5㎜伸びてたとしますと、6本で3㎜寸法が違ってくることになります。
東西の端から土台を固定していくと、木製サッシが付く壁パネルの部分で、それらの蓄積の合計分3㎜・・わずか3㎜の差で土台がはまらないのです。
議論した結果、土台全体を締め直すのではなく、片側の土台を切っても大きな影響がないことがわかりましたので、ゆとりをみて6㎜ほど切り落とすことを決めました。
現場とは工場生産とは違い、いろいろとハプニングはつきものですが、久々に冷っとするハプニングでした。
スタートからこれでは思いやられる・・という思いと、その現場調整でうまく木製サッシパネルが納まったことで拍手が起き、いろいろ起きても前に進めるぞ・・というポジティブ感と混ざり合った不思議な感じになりました。
この木製サッシパネルを納めるのに費やした時間は1時間半・・。
それでも、きれいに納まって安堵したのが一番の心境でした(^^;)。
さあ、ここからはガンガン行くぞ!
つづく
【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】