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木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 第36話:屋根工事② 三位一体ソーラー

第36話:屋根工事 ソーラー

 
今回から「三位一体ソーラー」の解説をしていきたいと思います。

「ソーラー発電」 ・ 「ソーラー給湯」 ・ 「ソーラー集熱」
を1つの屋根面ですっきり見せる工事です。


完成写真は下のようになります。


エコテクノルーフ


また、このソーラー設置状況を図にして真上から見てみますと下図のようになります。

20161125 sorlor_0001.jpg

 屋根面の各機能を大まかにご説明しますと、

〇  ★マークのパネル列が「ソーラー発電」です。80枚のパネルがあります。

 

〇  左から3列目・・表面的には同じガラス面なので見た目は同じですが「ソーラー給湯ゾーン」です。

 

〇  ソーラー集熱ゾーンは細かく見ると3つで構成されます。

 
    1つは、ソーラー発電の裏面を通って少し温めるゾーン(①ゾーンとします)

 
    2つ目は、ソーラー給湯パネルが設置されているゾーン(②ゾーンとします)

 
    そして、メインとなるのはガラス面に直接日射を入れて、積極的に空気を加温するゾーンです

         (図の「MAXソーラー集熱ゾーン」)(③ゾーンとします).

 

 
ソーラー集熱で温まった空気は、ネオマフォームで断熱されたチャンバーBOXで1か所に集められて、床下までダクトで送りこまれるという方法です。

ちょっと複雑ですが・・なんとなくイメージできましたでしょうか・・(^^;)。

 

 


ここから少し詳しく見ていきましょう。

詳しく見ていくと、悩む部分も出てきます。


ソーラー集熱は南側の軒先端から空気が入ります。ここでは「第1通気層」としておきます(図-A)。


20161115064246997_0001.jpg( 図-A )

 

屋根断熱には、壁と同じように屋根内部の結露を防ぐための「通気層」が必要です。ここでは「第2通気層」としておきます。

 

ここで1つ、メーカーさんと鎌田先生で議論が分かれました。

 

メーカーさんの見解:
「ソーラー集熱(第1通気層)」を「屋根の通気層(第2通気層)」と兼用してOKです。

 

鎌田先生の見解:
長い目で見て、通気層を2つに分けておいたほうが万が一の漏水のときにいいのでは・・・。

 

 


 この2つで意見が分かれました。工事費(手間や部材)を考えると兼用したほうがいいです。30年~50年スパンの「万が一」・・を考えると通気層を別に設けるべきかな・・とも思います。

 

 結論は、「通気層をソーラー集熱と兼用せずに別ルートで設ける」・・に今回はしました。

 

 

 

 しかし・・

 

 
 そうしますと、実は別の問題も見えてきます。

 

 先ほどの(図-A)を、もう少し拡大してみましょう(下図)。

 

 20161115064259553_0001.jpg

緑の部分が「ソーラー発電パネル」です。

その裏面のオレンジの部分が「ソーラー集熱①ゾーン」です。

そこである程度空気が温まる予定なのですが、屋根下地合板12㎜厚を挟んでその下に冷たい空気が流れる通気層があるのです。
 

 

 

 お気づきになりましたでしょうか・・。

 

 

 下の通気層が、「ソーラー集熱①ゾーン」で温まった熱を奪うのです・・。

 

 どれくらい熱が逃げるかは測定いてみないとなりませんが、集熱だけを考えると「屋根の通気層」は「ソーラー集熱と兼用」したほうが良いということになります。

  

 今回は、建物の断熱性能が良いので、発電パネルの裏面の加温はサブ的要素と考え、それでもいいだろう・・という判断になりました。

 


 しかし、「MAXソーラー集熱ゾーン③」となる積極的に空気を温めるゾーンにおいて、

このままではダメです!

 

 

 さあ・・どうなりますでしょうか・・。 どんな案が出されたのか・・次回ご説明いたします(^^;)

 

 

 


つづく


【木の香の家 展示場 兼 実験住宅 物語は 5日 15日 25日 に何とか更新していきます。】

 

 

Posted at: 2016.11.25(金)

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