木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 WEB見学会
【毎月15日更新】
- 乾燥ストレス・ゼロの家を目指して -
第53話 高断熱住宅の夏:猛暑1週間
前回の冬の乾燥感の話から一転・・岩手でも7月上旬に1週間ほど季節外れの猛暑がありましたので、
今回はそのレポートをいたします。
まずはこの外観で「こんなに窓が多くては、夏がクソ暑いだろう!」という予想が考えられます。
(表現が下品ですみません ーー;)
この写真は12月撮影のものですので、
窓に日射ががんがん当たって暖房熱として有効に働いているのが想像できます。
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岩手県内でも平成29年7月8日~12日くらいまで連日「ほぼ猛暑日」を記録しました。
(実験ハウスの百葉箱も35℃前後を記録しております)
下の測定グラフで、赤が「外気温」・青が「リビングの温度」です。
7月8日と7月9日の2日間は、早朝の外気温が20℃以下だったので、朝の窓明けで室温が23℃台まで下がってくれました。
その後窓を閉めて夕方まで生活するわけです。
そうしますと、外気温が35℃に達しても室温は30℃まで上がらず、扇風機でもまずまず快適に暮らせます。
外から建物内部に入った時は「お!涼しい」と感じます。
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しかし・・7月10日11日は早朝の外気温も24℃前後までしか下がらなかったため、
建物の窓をあけての空冷もなかなかうまくいかず、朝7時ころに窓を閉めた時点で室温25℃前後からスタート。
そうしますと、外気温が35℃超えするときに室温も30℃を超えてきてしまいました(><)
関西・関東でエアコンが必需品であることが納得できます。
家族のブーイングも発生して、12日~エアコン始動(><)
(本音はエアコンなしで猛暑期間を乗り切りたかったのですが・・・)
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ただし・・エアコンの効きもかなりいいことが分かりました!。
実験ハウスは約60坪(120畳)あります。
設置してあるエアコンは 2階に14畳タイプ1台 と 1階に8畳用タイプ1台です。
(2階ホールにある14畳用エアコン)
(1階リビングにある8畳用 特殊地熱利用エアコン)
どちらのエアコンも弱運転で快適な27℃~28℃を維持できました!
稼働しているときの電力は・・
『 2階のホールエアコンの225W 』
と
『 1階リビングエアコン 23W +地中熱ヒートポンプ約55W =80W 』
の
合計 約300W です。
(HEMSによる電力表示:かなり便利です)
300Wというと1日の電気代 24時間フル運転で 約150円
1か月フル運転でも 4,500円
日中の16時間運転だと 1日100円 1か月で3,000円 という計算になります。
実験ハウスは60坪ですので、予想以上にうれしい効果です!
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高断熱の夏を快適に省エネに暮らすコツは、やはり「庇の出」・「すだれなどの日射遮蔽」を考えることです。
最近の住宅は庇が短いデザインが増えてきておりますので、グリーンカーテンや外付け日射遮蔽プラインドなどうまく使うと良いと思います!。
(直射日光がギリギリ入りづらいバルコニー寸法)
もう一つのコツは、測定中のため次回お話いたします(^^)。
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測定してて気づいた意外と予想外だなぁ・・と思ったこと。
朝に窓全開なのですが・・外気温が20℃以下でも室温は23℃くらいで粘ってしまって、
20℃まではなかなか下がらないなぁ・・と感じました(^^;)。
壁や床に蓄熱されているためか・・、そうそう下がらないものなんだなぁ・・と意外でした。
(実験ハウスレポートは 毎月15日更新していきます)