木の香の家 展示場 兼 実験住宅 建築物語 WEB見学会
【毎月15日更新】
- 乾燥ストレス・ゼロの家 -
第62話:意外と絶賛されたキッチン背面収納
ー細かい寸法の妙―
今回は現場で考えながら造作した収納ですが、結果的にお客様に評判のいい収納をご紹介いたします。
図面で見ると、下図のオレンジ色の部分になります。
立面で見ても「なにが絶妙なのか」分かりません(^^;)
でも、意外と優れものです。
実は・・よく見ると収納が壁に食い込んでいるのです。
断熱を「充填断熱」+「付加断熱」にしているので、
部分的に壁の中の断熱を抜いても、大きな影響がないのです。
それでは、壁の中に食い込ませた収納はどこが「絶妙」なのでしょうか。
断面図で描くとこうなります。
仮定1:もし一般的な吊戸棚のように、高さ1.8mより上に収納があるとどうなるでしょう(下図の右)
〇 ちょっと高過ぎて頻繁に使いづらい寸法ですね・・
仮定2:そのまま設置高さを下げるとどうなるでしょうか(上図の左)。
〇 扉を開けると顔の付近まで出てくるので毎回1歩、後ろに下がる必要が出てきます。
〇 家電の蒸気などが吊戸棚の下面にあたるため、収納の痛みが早くなりそうです。
※ そこで、わずか壁1つ分ですが収納を壁の中に食い込ませると(下図 左)、
なんと!
① 扉を開けても後ずさりしなくて良い!
② 家電の湯気も気にならない
③ 皿を頻繁に取り出しやすくなる
④ 明り取り窓は 収納の上部に横長サッシで十分に採光を取れる
など、いろんな面でかなり使いやすくなりました!
この収納は、我が家では一番開閉の多い収納だと思います。
現場の思い付きで作ったため、柱型など出っ張りが見えます(^^;)
本当に湯気は気になりません!
細かい寸法で、使いやすい使いにくいが生まれるものだと、勉強になった優秀な収納でした(^^)b
この後、多くの現場でご採用いただいております!