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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT1-2】何故、断熱材が効かなかったのか。何故、家が腐ったのか

ここで、この構造で生活するとどういう現象が起きるか「図C」で見てみましょう。
まず、室内では、料理、風呂、洗濯、そして人がいるだけで、水蒸気が多く発生しています。さらに開放型の暖房機を使うことで、室内には湿った暖かい空気が発生します。

水蒸気の構造その後は以下のように推移します。

①:室内を暖房すると石膏ボードも温まり、その裏面(壁内)の空気も暖まる。石膏ボードは湿気も通すので、壁内の空気は暖かく湿った空気となる。
②:暖かい空気は軽くなるので、上へ上へと上昇する。断熱材が入っている壁は、断熱材に絡みながらの上昇していき、間仕切壁内の空気は、空洞状態の中を上昇していく。
③:壁内の温まった空気は小屋裏へ抜けて行き、最終的には外へと排出される。これは、暖房した熱が外へ早々と漏れていることを示しています。
④:壁内の空気が抜けて負圧になった分、床下から冷たい空気が引き上げられる。
⑤:壁の床付近は、当然冷やされて、室内の結露やカビが発生する。
⑥:断熱材と絡み合った、暖かく湿った空気は、通気層の無いモルタル壁の部分で冷やされ、露点温度に達し結露を起こす。一瞬の結露は問題ないが、基本的には冬の間中、結露し続けることになる。

結果、グラスウールに水分が付着し、グラスウール自体もズレ落ちて、ますます断熱効果が落ちる。
さらに、土台の上に常に水分を含んだグラスウールがあるようになり、腐朽菌が発生して、建物自体の寿命も短くなる。

注意:間仕切壁や、断熱材が入っていない外壁では、結露する前に空気が小屋裏などの外部へ排出されるため、意外と構造体もしっかり残っています。そのかわり、とっても寒いですが・・。

下の写真は典型的な戦後の木造建築の写真です。当然ですが、仕上げを見ただけでは、この家が「暖かい家」なのか「寒い家」なのか(正確には燃費の良し悪し)判断できません。

戦後の木造建築この部分(ちょっと右の方にずれていますが)をサーモカメラで撮影したのが下の写真です。
        
サーモカメラで撮影した写真

先ほど解説した様子がサーモカメラを使うことではっきりと分かってきました。室内の上下で温度差が10数℃もあります。
このサーモ映像を見るときの注意点は、右の温度目盛と照らし合わせながら見ることです。いくら寒い家でも、設定を変えることで上から下まで赤い色にも染められるのです。断熱性能の悪い工法では、右の温度目盛を見せないで、サーモ映像だけを消費者に見せようとします。

またまた、ちょっと小休止です

【ウソの断熱リフォーム】

このように、家の断熱材が十分に効かない構造・・、家が寒い・・というメカニズムを具体的に見てみますと、最近、よく耳にするリフォーム会社のウソが1つ見えてきます。
 
「当社の外壁材には断熱材がくっついてます。ですから、この外壁材でリフォームすれば、家は暖かくなります!。」

外壁材の裏側に断熱材が一体で付いている

これは、今は無きパットサイデリアの営業トークです。これも、一見正論のように聞こえます。あんなにテレビコマーシャルで盛んに宣伝していれば、ウソではないだろうとも感じます。住宅のプロを装った営業マンに言われたら、ますます、正論のように思えるのではないでしょうか?

【ACT1】で見たように、家の寒さの原因は、断熱材と部屋の間を走る冷たい空気です。もしくは、間仕切壁を走る冷たい空気です。
イメージでいうと、「図D」のように、体(室内)と布団(断熱材)の間に冷気が走っているのです。この状態では、冬は寒くてたまりません。
この状態を直さないまま、「図E」のように布団をさらに重ねても(断熱材付きの外壁でリフォームする)、結局、その間を冷たい空気が走り続けるわけですから、実は、断熱UP効果は、ほぼ0に近いのです。 

断熱材と部屋の間を走る冷たい空気

skogのいえ