○【間違った測定1:床断熱で、ユニットバス入り口扉まわりをテープ貼りする】
これは、下図のように床断熱の場合よくあります。ユニットバスまわりでいい加減な施工をする可能性があり、そういう現場で気密測定をすると、ユニットバスの入り口扉まわりからものすごい風が入ってくるのです。
そうすると気密の測定値はかなり悪く出ます。
「これではマズイぞ・・」となり、ユニットバスの入り口まわりをテープで張ってごまかした気密測定をするわけです。

上にユニットバスまわりの断熱施工パターンを2つ図にしました。①は、ユニットバスまわりで、断熱ラインを壁とユニットバスの天井にしてしまうケースの図です。これはやめたほうがいいでしょう。せっかくあたたかい家づくりをしているのに、浴室は外部扱いとするのはどうかと思います。
しかも、こういう施工をすると、気密測定をした際、ユニットバスのドアからものすごい空気が流れ込んできます。つまり、ユニットバスは密閉されているように見えますが、かなりスカスカなのです。
私が年間100棟くらいやっていた会社に勤めていたころ、私が入社する直前の現場でこのように施工された家があり、気密測定に立ち会って「ひえぇ~」・・と・・・現場で青ざめた経験があります。
その後、ユニットバスまわりをテープ処理して気密測定値を良くするという恥ずかしい測定をしているのを目にしました。そんな測定値に何の意味があるのか・・・。残念・・・。入社後は②の方法か、基礎断熱を標準にさせましたので、そういう問題もなくなりましたが、これから始める工務店さんは、十分注意したほうが良いでしょう。
○【間違った測定2:引き違いサッシの合わせ目などにテープ貼りする】
これは、気密性能をうたい文句にしている会社に多く、気密測定してはちょっとしたサッシの合わせ目など、空気がす~す~とくる部分をテープで塞いでいき、納得いく数値に達するまで何度も測定して、一時的なテープ処理でデーターを補正するのです。もちろんサッシの極端な隙間は、サッシ調整で直さないとなりませんが、テープ処理はダメです。
この種の間違った測定方法は、気密測定している測定会社に聞くと分かりますが、実は、かなり多いそうです。それは、分からなくて間違っているのではなく、意図して、不適正な測定方法で、気密性能値が良く出るように処理するのだそうです。気密測定をする会社は民間企業(主に取り引き建材屋さんのサービス事業)なので、測定方法が不適正でも、ハウスメーカーの言われたとおりに測定するのが現状なのです。