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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT4-6】気密住宅は隙間がないの?あるの!?

このパッシブ換気の理論から分かるように、「本当の高断熱高気密」は、熱漏れしたり内部結露する断熱層や防湿層の隙間などは「閉じる」のですが、実生活上では、必要な隙間を狙って「開ける」のです。
つまり「不必要な隙間」は塞ぎ、「必要な隙間」は開けるのです。
「不必要な隙間」と「必要な隙間」は壁構成の中にも2種類存在します。
「高断熱高気密」=「隙間のない家」=「窒息住宅」と連想ゲーム的に消費者にゆがんだ知識を与えている論評や営業トークは、実は、不勉強な評論家の方か、意図的に消費者を抱え込むための販売手法なのです。もしくは間違った気密住宅を見て、間違った評論をしている、間違った者同士の論理なのかもしれません。
また、気密測定時、給気口は閉めて測定しますが、測定が終われば、わざわざ開けるのですから、隙間は狙って計画的に増えていきます。ですから「気密が他社より良いから暖かい」がウソの営業トークであることもわかると思います。

外部の新鮮空気が入ってくる給気口の写真

主に冬に大活躍!。
皆さん、冬はなかなか窓を開けないので
これが無いと空気がよどみがちです。

ちょっと小休止

【換気についての、もっともらしい営業トーク】 よく、「機械換気なんかする家に暮せるか!」などという類の言葉で消費者にゆがんだ知識を与える営業トークがあります。機械換気する家を「人工的なもの」という印象を与え、機械換気しない家を「自然の家」と印象付ける、もっともらしいこの営業トークですが、これを使う工法には矛盾点が多すぎます。

◯1つは、そういう類の言葉を使う工法の多くが気密というものをイメージでバッシングしますが、使っているサッシは何故か気密断熱サッシなのです。隙間が良いのであれば、サッシの気密パッキンをはずせばいいのですが、言ってる事とやってる事に矛盾があるような気がします。

◯もしくは、そういう類の言葉をいう工法の多くが「中気密」をうたいます。中気密って何㎠/m²の隙間を指しているのか実は明確に答えているのを見たことがありません。多くの場合、「てきと~な隙間」という曖昧な表現です。もし、その「てきと~な隙間」が、5㎠/m²より多ければ、その家は「必要以上に熱漏れしている住宅=ザル住宅」なのです。また、その「てきと~な隙間」が、断熱層などに点在していると内部結露の恐れも出てきます。躯体はしっかりと「断熱材が効き」「内部結露しない」ように造って、狙った隙間でパッシブ換気をした方が理にかなっていると思うのですが・・。

◯また、ダクト式の換気システムについて、「こんな人工的な換気装置を使う家なんて!」と言いながら、トイレにパイプファンを付けているのも、実は変な話なのです。ダクト式換気システムは、1時間あたり約150m³~250m³の換気をしているだけですので、小さいパイプファン4~5台程度の換気を1台でしているだけなのです。オープンプランであればパイプファンでも十分換気計画は出来ます。多分、ダクト換気の仰々しさを利用して、消費者に悪いイメージを与える営業手法だと思います。

某メーカーのダクト式換気システムのイメージ図

確かに上の写真のようなものを初めて見せられると、仰々しくは感じますね。でもパイプファンだと素直に許せるのは、結局イメージの問題なのではないでしょうか。ダクト式換気システムは部屋を細かく仕切るようなプランニングでは、パイプファンより威力を発揮します。仕切られた部屋から確実に汚れた空気を排出するのですから。

トイレのパイプファンの設置◯また、最近では、「気密住宅はダメ」「機械換気は熱ロスでダメ!」と言いながら、室内の熱を対流させる機械を何台も売る工法まで出てきています。断熱がしっかりしていると、対流装置を使わなくても、上下温度差や温度ムラが少ないのですが、対流装置を使わなければ温度ムラが出てくるようでは、かなり熱漏れしている住宅なのではないのでしょうか・・・。
それ以前に、「『機械』換気なんか!」と言いながら「対流『機械』」を売ることに疑問を感じてないのでしょうか...。

これらの論争の根本にあるのが、やはり「自然」というキーワードだと思います。本当に自然な住環境とは「夏は外のように暑く、冬は外のように寒い家」なのです。...が、それでは、人間が健康に暮せないため、雨露をしのぎ、隙間風を塞ぎ、通風計画をし、庇を出し、簾を下げ、断熱材をきちんと入れて、外部の厳しい季節(真夏・冬など)の環境から少しでも体に負担にならないように、人間は住まいを考えてきたのだと思います。つまりは、住宅の温熱環境は、多かれ少なかれ実は人工的なのです。内装に使う素材は自然素材ということは、もちろんあります。
例えば、雨露をしのいで、隙間風を塞ぐことは、ある意味「気密」です。この「気密」の度合いが、○○㎠/m²までが自然で、○○㎠/m²までが人工的だといえる評論家はいません。なぜならば、自然とは極論すると外に居ることなのですから。
この不毛な論争が未だにある原因は、「自然」をキーワードに「温熱環境」と「仕上げ素材」を履き違えてしゃべっている評論家やフランチャイズ商法が多いからなのだと思います。

ちなみに私が勉強させてもらっている新住協では、昨今の会員の技術力も上がってきているので、「丁寧に施工すれば隙間相当面積1㎠/m²くらいの性能は出ると思うよ」・・というくらいで話しています。

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