下の図は布基礎で基礎断熱する基本的な図です。
これを見ると概念図には表れてこない水平の断熱材があります。「スカート断熱」と呼ばれるものですが、外周に面する基礎にはこの断熱施工をします。「図2」の基礎の外側にする方が効果的ですが、敷地の事情や、作業性の問題で一般的に多いのは「図1」の方法です。
このスカート断熱をする理由は、室内(床下)の熱が基礎の下をまわりこんで外部へ逃げてしまう量が大きいことが分かっているため、それを抑制するためです。

このスカート断熱をすると、熱が外部へ逃げる距離が増えますので、その分、断熱効果が上がるということになります。

特に、床下に熱源を置く暖房方式(床下放熱機暖房やスラブヒーターなど)を採用する住宅では床下の温度は下図のように随分高くなります。
熱とは温度差(床下と外部)があればあるほど逃げる量が多くなります(熱損失が増える)ので、床下に熱源を置く暖房方法を採用する場合は、基礎の断熱性能を高くすることはもちろん、スカート断熱は必要不可欠です。
床下に熱源を置く場合は、「図3」のように基礎の両面に断熱した方が親切です。

べた基礎のときは、下のような感じでスカート断熱します。この上に配筋するわけですが、土間コンクリートを打ってしまえば見えなくなる部分です。見るからに手間が掛かっていますが、大切な施工ポイントですので、ハウスメーカーさんには、きちんと施工をお願いしてください。
工務店さんで良心的な会社でも、本当にスカート断熱の重要性を知らない会社もありますので、そのときは教えてあげて下さい。