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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT7-3】内側基礎断熱のリスク

次に、基礎断熱方法として、下の図4のような納まりもあります。

基礎断熱法

この「図4」は、特殊な事情がある場合に行います。断熱性能を確保する施工としては、「図1」・「図2」・「図3」の方が確実ですが、例えば、デザイン上、基礎の外面をコンクリート打ち放し仕上げにしたい...などの理由のときは、この方法を採用します。
しかし、このとき施工する際に十分な注意が必要になります。「図4」では簡単に断熱できているように見えますが、何と言っても基礎が内部側に枝分かれしてくる部分で断熱欠損が生じないように施工する必要があります。

断熱の悪い例

上図は、悪い例です。基礎が建物の内部側に枝分かれしてくる部分で、断熱ラインを切ったまま放置してしまう例です。これでは、下のように、熱がその部分からどんどん逃げて行きます。(その部分の断熱効果はコンクリート120mm~200mm厚分しかありません)。
ちなみに、200mmのコンクリートの断熱効果は、木材15mm分だけです。断熱材に換算しますと、たったの4~5mm分しかありません。ほとんど断熱していない状態になります。

断熱の悪い例

この基礎が枝分かれの部分は、スカート断熱と同じように、両面に断熱補強する必要があります。

断熱補強の図

しかも、もう少し詳細図で見てみますと、基礎の幅を150mm木材の大きさを105角としますと、基礎の上面に45mmの露出された部分が出てきます。そのため、補強した断熱材を基礎より少し立ち上げて、土台と断熱材の間を、発泡ウレタンなり、断熱材を詰めるなりしないといけません(基礎の上面も断熱する目的で)。

意外と神経を使い、手間のかかる作業ですので、現場できちんとできるか不安です。素直に基礎の外面で断熱することをお勧めいたします。

以上のことをおさえて、次の現場をみてみましょう。

基礎断熱法