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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT8-6】ダメな天井断熱 -天井下地の上にただ断熱材を並べる-

仕上げ天井のすぐ上に断熱をする方法で、もっともダメな方法があります。それは、天井下地の上に、袋入りのグラスウールをただ並べて置く・・という施工方法です。
写真は、全国展開している有名なローコストハウスメーカーさんの天井施工中の写真ですが・・天井下地のすぐ上に、断熱材をただ並べると何がダメなのでしょうか・・

(断熱性能確保が難しい点 その1)
天井下地の木材も厚みが30~40mmがあります。その下地と断熱材の間に動きやすい空気の層があり、その空気が断熱材を重ねた隙間から小屋裏へ抜けていくのです。結局、熱も逃げていくことになります。

(断熱性能確保が難しい点 その2)
天井裏には、「電気の線」や「換気のダクト」など設備系の部材があり、それらが断熱材を押しのけるのです。つまり、電気屋さんや設備屋さんがどんどん断熱層を壊していき、結果として熱漏れ箇所が増えていくのです。

(断熱性能確保が難しい点 その3)
 天井下地を吊る「吊り木」や「間柱」が邪魔をして、断熱材がうまく施工できない。

電気の線やダクトが断熱材をぐちゃぐちゃにしていく。重ねの隙間から熱はどんどんもれていく。

(左)吊り木が邪魔して断熱材をきれいに施工できない (右)間仕切り壁の部分は、間柱が邪魔してきれいに断熱施工できない

このように、仕上げ天井のすぐ上に、「袋入り断熱材」や「整形された発泡系の断熱材」などを施工するのは、非常に難しく、事実上ほぼ無理なのです。そのため、天井の断熱仕様や断熱施工方法を聞いて、このような仕様で考えている住宅会社さんは選ばない方が良いと思います。