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木の香の家

教えて「断熱さん!」断熱コラム 断熱勉強講師を務める、木の香の家代表白鳥顕微志の書きおろしコラム〜牛一頭いれば家一軒が暖かくなります

【ACT8-9】意外と盲点 -下屋まわりの天井断熱-

天井断熱について、これまで記述した部分は最上階の天井断熱になります。
このほかに実は意外に施工ミスが多いのが下屋まわりの天井断熱です。

この部分を施工ミスしてしまいますと、「1階の天井」と「2階の床」の間に冷気が流れ込むため家全体が暖かく感じられなくなります。

下図は、下屋まわりの施工方法として一般的に行われている方法ですが、実際の現場では、赤丸の部分の『下がり壁の断熱』が施工されていないことが多いのです。
つまり、天井下地の上に断熱を置いて赤丸部分は外気がどんどん侵入してくることになります(青い矢印)。

下がり壁の断熱 下がり壁の断熱によって外気が侵入

しかも、きれいに壁の断熱を施工したとしましても、下の写真と図の状態になるわけで、その天井部分に照明器具を付けるための配線や換気のダクトなどが施工されますと断熱材がぐちゃぐちゃにされる可能性は高いのです。

下がり壁と罫線を造作して天井を断熱し、次に別張り防湿層をの野縁の下に貼る。下がり壁部分にも寸法を合わせてカットしたグラスウールを充墳します。
それに対して、リスクの少ない施工方法は、先ほどの「パターンB」を応用した下図です。こうしますと電気配線やダクトが施工される際も断熱層を傷めることがなく安心できます。

ここは、断熱ラインの中なので、暖かい。ダクトスペース、配線スペース、ダウンライト。

この下屋の部分の断熱意識は、きちんとハウスメーカーさんに確認した方がいいと思います。特に照明の配線や配管はどうなるのか・・という点です。

この施工方法でのメリットも、言葉で表す以上に大きいものですので、これから断熱住宅を真面目にやっていきたい工務店さんは、下屋の天井断熱施工を「パターンB」の応用版ですることをお勧めいたします。

(総括)
天井断熱は絵で描くのは簡単ですが、「断熱壁の上部接合点」「間仕切壁の上部接合点」「下屋まわりの盲点」「断熱層と配線施工の難しさ」「断熱層とダクト施工の難しさ」など注意点が実はたくさんあります。それらを十分理解して施工しませんと失敗しますので気を付けて施工してください。